okoんにちは!okomoto店長のオコモトです!
この記事にたどり着いたあなたは、
- 万一バイクで転んだら、どんな転び方をすればいいんだろう?
という想像力があるグッドライダーかその卵ではないでしょうか?バイクを危険なものだと認識して、自分を守ろうとするのは安全運転にとても役に立ちます。
しかし、どんなに気をつけていてもバイクには転倒しまう可能性がある以上、転ばない対策だけではなく、転んだ時の対策についても考えておく必要があります。
この記事では、
ということについて解説していきます。
バイクでの転び方は3種類
僕が知る限り、バイクの間で推奨されている転び方は3つあります。どの方法が良いかは転び方によってケースバイケースなので「どれがいい」とは断言できませんが、僕なりの解釈を載せておきます。
受け身を取る
柔道のような受け身を積極的に取る方法があります。バイクでの転倒は受けられないほどの大きな運動エネルギーが発生しているので、逆に骨折などダメージが大きくなる可能性があり、当ブログでは推奨しません。
「柔道をやっていたので自然に受け身を取れて軽症で済んだ」って人もたくさんいるけど、ケースバイケースだからね…。
脱力する
ベテランが良く口にするのが「脱力して身を任せ、滑っていく」という思い切った方法。バイクレースを観ていると、100km以上で転倒したライダーがザーっと寝そべったまま滑っていって、すぐに起き上がる様子を見ることができますが、まさにそんな感じ。
僕なりに「何故ベテランは脱力派が多いのか…」と咀嚼してみましtが、おそらく障害物のないサーキットでの最も理にかなった上手な転び方なのだと思います。
公道で脱力すると手足が広がり、さまざまな障害物に手足を打ったりひっかけて骨折する可能性があるので、公道ではあまりおすすめできない方法。
サーキットでは寝そべったまま滑って、そのままコースアウトが1番安全!
丸くなって転がる
我々のような「バイク楽しいアハハハ系ライダー」にもっともおすすめなのは丸くなって転がるという方法。
手足を丸めれば障害物にひっかけたり、あたって骨折する可能性を低くできます。受け身で受けきれない運動エネルギーを回転エネルギーに変えてゴロゴロ転がれば衝撃を逃がすことができます。
地面を滑らずに転がるので擦り傷も浅く済むでしょう。
とはいえ、摩擦で減速することができないので、転んだ後に移動する距離は長くなってしまいます。対向車やガードレールにぶつかる可能性は高くなってしまうかもしれません。
まぁ、それなりの速度が出ていれば滑っても対向車に激突はしちゃうんだけどね…
総合的に考えて、公道での上手なバイクの転び方は丸くなって転がる方法をおすすめします。
転倒確定演出時のバイクの上手な転び方
バイクに乗っていると、
あ、もうこれダメだな
と、転倒の直前に悟ることがあります。前述の転び方を考慮した、転倒確定演出が出たときのバイクの上手な転び方の流れを紹介します。先に流れを載せるとこんな感じ。
直前までブレーキをかけ続ける(ABSは全力ブレーキ)
事故の衝撃は速度の2乗に比例します。60km/hでは衝撃は3600。14階からのビルからの落下の衝撃と同等と言われています。たった1km/h減速した59km/hでは3481、2km/hの減速では3364、3km/hの減速ではkm/hでは3249と、少し減速しただけでも衝撃はどんどん下がります。
転倒や衝突の直前までブレーキをかけて、少しでも速度を落とすことが大事。
タイヤがロックしないABS機能がついているバイクであれば思い切りブレーキをかければ転倒を免れるかもしれません。
ABS搭載車は「危ない!」と思った瞬間にブレーキを踏み抜くのが正解
日本では2018年10月1日以降に生産された新型車からABS装着が義務付けられているよ
手をつかない
速度が出ている転倒で、地面に手をつくと手首や鎖骨、肩を骨折します。
手と地面がグリップすると肩や腕、鎖骨に転倒の衝撃がダイレクトに伝わり、もの凄い力がかかりるのです。バイクで転倒した人の多くが鎖骨を骨折するのはこの圧迫骨折が原因です。
確かにバイクで転んで鎖骨折るの疑問だったのよね・・・衝撃が伝わって骨折するのね・・・
直接ぶつかって骨折するわけではないんです。ちなみに僕もこれで鎖骨折ったことがあります。あと肋を数本。
お尻から地面につく
脂肪がついているお尻から転ぶと、脱臼や骨折の可能性が低くなるので、比較的ダメージが少なくなるとされています。
どこから転ぶか選んでる時間なんてないでしょうし、おしりから行っても尾てい骨骨折やひどい打ち身にはなることはあります…。
事故を起こしたプロテクターガチガチのライダーを助けたことがありますが、パンツがジーパンだったのでお尻から大量に出血していました。
軽装ライダーは「お尻から落ちたほうが幾分マシかも」ってくらいの話だな
僕はレザーパンツ履いているので、余裕があるときはお尻から行こうと思っています!
転んだらハンドルから手を離し、バイクから離れる
バイクと形状が似ているロードバイクでは、転倒時(落車時)はハンドルから手を離さずにロードバイクで体を守るのがセオリーと言われています。
という理にかなった理由があります。一方でバイクの場合はハンドルから手を離して、バイクから離れるのがセオリー。
ロードバイクよりもはるかに重く、高熱のエンジンを搭載しているバイクに掴まったままだと、
ということが起きるので、転倒が確定した次点でハンドルを離し、なるべくバイクから離れた方が良いです。
ちなみに転ぶのが上手い人はバイクから飛び降りたりするそうですよ。
腕をクロスして、丸まって転がる
あとは丸まってゴロゴロ転がり、事故の衝撃が逃げるのを待つだけ。
バイク死亡事故の死因第一位は頭部へのダメージなので、腕で頭をかかえるのがいいのかもしれませんが、フルフェイスヘルメットをかぶっているのであれば、腕は死因第二位の胸の前でクロスさせ、胸を守ることに使った方がいいかもしれません。
引用元:警視庁直前までブレーキをかけ続ける
転んだらバイクから離れる
手をつかず、お尻から
腕を胸の前でクロスさせ、転がる
転倒時の怪我を少なくする方法
万一の転倒に備えて、怪我を少なくする装備を解説します。
フルフェイスヘルメットをかぶる
顎も守れるフルフェイスはもっとも安全性が高いヘルメット。下手に転んで顎を失いたくない人は必ずフルフェイスヘルメットを被りましょう。
様々なヘルメットメーカーやヘルメットの安全規格のものがありますが、僕は「どんな規格、メーカーのものであっても、フルフェイスをかぶれば頭部の安全性は100点」だと思っています。各規格は101点、102点、例えば世界一厳しい検査基準を持つと言われるSNELL規格は104点、それより厳しいアライは105点とかそれくらいのものだと考えてフルフェイスヘルメットを選ぶのが精神衛生上もいいような気がします。
それくらいフルフェイスであることが大事ってこと。
プロテクターを身につける
ゴロゴロ転がることができ、うまく衝撃を逃すことができても、プロテクターをつけていなければ傷だらけになってしまいますし、障害物に強くぶつかると結局骨折していまうことも。
バイクで転倒することを想像できる方であれば、プロテクターの装備は必須。バイク用のプロテクターは、
などたくさんのものがありますが、プロテクター入のジャケットを使用することが最も気軽な方法。各プロテクターの必要性など詳しくは上の一覧の文字リンクか、プロテクターに関して解説した記事を読んでみて下さい。
この記事の内容はそもそもプロテクターの着用を前提にしているしね
軽装でバイクに乗りたいあたしはどうすればいいの?
転ぶたびに瀕死になってればいいんじゃん?自己責任だから良くない?
(…)
プロテクターが入ったパンツか革パンツ
プロテクターが必要なのは上半身だけではありません。上半身は重要な臓器があるので優先して守らならないので多くの方がプロテクターを使っていますが、下半身は命に届かないことが多いので蔑ろにする方も多いです。
下半身へのダメージは日常生活やその後の人生に大きく影響するので、命に届かずとも積極的に守らなければなりません。
膝やったら車いす確定なの。日常を取り戻すには長い期間必要になるの。
きちんとしたプロテクター入のレザーパンツを履いていれば、お尻から転ぶということもできるようになります。
レーシングレザーパンツが最も安全ですが、バイクのスタイルを選ぶので、バイク用のレザーパンツでもOK。
バイク用のパンツに関しては上の文字リンクか、網羅的に解説している下の記事を参考にしてみてください。
スライダーのついたグローブ
先程「手をついてはいけない」と解説しましたが、これはかなり難易度が高いです。人間は頭を守るために反射的に手をついてしまう生きもの。
咄嗟に手をつくと手首、鎖骨、肩を骨折してしまいますが、手のひら側にスライダー(手をついたときにわざと手を滑らせるもの)がついているものは圧迫骨折しづらいです。
というバイク用のグローブすべてについている…というものではなく、主にレーシンググローブなどについています(レーシンググローブでもついていないものもある)。
グローブ選びの際は、デザインだけでなく、スライダーの有無も選考基準にすることができれば、より安全なバイクライフを送ることができます。
詳しくはバイクグローブの選び方を解説した記事を参考にしてみて下さい。
僕が鎖骨骨折したときはスライダーがないものを使っていました。お医者さんからは「ちゃんとした装備だったらこんなに大怪我してなかったよ」と言われました。
レーシングブーツ
足の擦り傷はもちろん、万が一バイクに足が挟まれたときに足をふくらはぎまで守ってくれるレーシングブーツ。
かなりスタイルを選ぶアイテムですが、安全性を最優先できる方にはおすすめ。
もしもバイクのスタイルとレーシングブーツが合わない場合でもバイク用のきちんとしたブーツやシューズを選ぶのが良いです。ちゃんとしたものを選べば足首くらいは守ってくれますよ。
どんなシューズがあるのかは、上の一覧の文字リンクか、バイクの靴について網羅的に解説した下の記事を参考にしてみてください。
バイクの被害を少なくする方法
バイクで転んでしまったときにバイクのダメージを少なくする方法についても紹介しておきます。
エンジンガードをつける
エンジンガードとは湾曲したパイプを取り付けることにより、転倒時にエンジンが地面に接地することを防いでくれるもの。白バイや教習車には標準で取り付けられています。
エンジンスライダーをつける
転倒時に接地してしまうエンジンの外側に、主にジュラコン樹脂を取り付けて、エンジンを傷つけずに車体を滑らせるもの。
サーキット走行やレース時に転倒したバイクをスムーズにコースアウトさせることを目的としています。エンジン廻りのボルトと共締めして取り付けるます。
アクスルスライダーをつける
アクスルスライダーとは転倒時に設置して削れてしまうフォークボトムやスイングアームのリアアクスル周りを守るためのパーツ。エンジンスライダーと同じで、サーキット走行時に転倒したバイクをわざと滑らせて、素早くコースアウトすることで二次被害を防止することを目的としています。アクスルシャフトに貫通させて取り付けます。
エンジンガードやスライダーのデメリット
エンジンガードは本来衝撃の力がかからなかったであろう場所(フレーム)に重大なダメージを与えてしまったり、スライダーは滑る距離が長くなって、本来当たらなかったであろう障害物にバイクが当たってしまう可能性があるというデメリットがあります。
判断は個々人によって異なりますが、当ブログでは、
というすすめ方をしています。
我々のようなハッピーツーリンガーは付けておいたほうが良さそうですよ!
エンジンガード、スライダーに関して詳しくはこちらの記事を読んでみて下さい。
オフロードバイク・モタードに乗る
転ぶことを前提に作られているオフロードバイクや、オフロードバイクを基に作られているモタードバイクは転倒しても重要なパーツが壊れにくい設計になっています。
これらのバイクはそれぞれのパーツが比較的安価な傾向があるので、バイク自体が転倒しても(修理費用含め)ダメージが少ないバイクということができるでしょう。
バイクの転びにくい運転
ついでに転びにくいバイクの運転…というかマインド的なものを載せておきます。
バイクが危険であることを理解する
転びにくい運転の基本はバイクが危険な乗り物(車と比べてダメージが大きいもの)ということを理解することです。
そんなの当たり前じゃね-かよ
と思うかもしれませんが、世の中には、
バイクは安全運転すれば車より安全な乗り物だ!
と意味不明な供述をするバイク乗りも多くいます。もしもあなたがそんな方なら一度下の記事を読んでみて下さい。バイクは車と比べて24倍危険な乗り物です。
安全な速度で走る
公道を走る車やバイクで制限速をを100%守っている車両は稀です。
制限速度を守って走ろう!
と、現実的ではないことは言いませんが、少なくとも周りに迷惑をかけない安全な速度は守るべきです。詳しくはこちらの記事を読んでいただければと思います。
雨、雪の日はバイクに乗らない
雨、雪の日はバイクのタイヤがうまく路面とグリップせず、転倒のリスクが爆上がりします。
そもそもバイクを傾けられない状況でバイクに乗っても全く楽しくないので、路面が濡れているときはバイクに乗ることを控えましょう。これだけで転倒リスクはかなり減らすことができます。
冬、春は路面凍結を恐れる
冬や春先は路面凍結に注意しましょう。そもそも濡れた路面では…(略)
天気がいい日でも日陰は本当に凍結していることが多いので想像力を働かせて走るようにしましょう。
冬は海の影響であたたかい、半島ツーリングがおすすめだよ…
まとめ
いかがでしたでしょうか。
バイクで転んだときの上手な転び方について解説しました。
万一のときはアルマジロのようにプロテクターに身を包んでゴロゴロ転がるようにしましょう。
この記事が一本でも多くの骨を守るきっかけになったのであれば嬉しく思います。
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