okoんにちは!okomoto店長のオコモトです!
バイクで転びにくい運転の仕方やバイクの起こし方を指南する情報はたくさんありますが、その2つの中間の情報が欠落していると感じたので需要は少ないかもしれませんが「バイクで転倒したら」、「バイク事故に通りかかったときにやること」について解説します。
バイク転倒事故を起こした本人目線(単独事故)と、とそれを目撃したバイク乗り目線(救護する立場)の2つの目線で書いていくので頭の隅の引き出しに入れて頂いて、万が一のときに開けて貰えればと思います。
人間は嫌なことから目をそむける生き物・・・だから「バイクで転びにくい運転の仕方(事故前)やバイクの起こし方(事故後)の中間の情報」が少ないのかもね。
この記事では
ということについて僕の実体験を元に解説します。
オコモトは通りがかりの人に救急車を呼んでもらったり、呼んであげたりした両方の経験を持っているのよ。
一度集中治療室に運ばれてますからね・・・。あのとき助けてくれた方本当にありがとうございました!
バイク事故を前提とした準備
という3つの準備をしましょう。
フルフェイスヘルメットを被る
安全面を考えるのであればやはりフルフェイスヘルメットが良いです。頭部に加えて顔面へのダメージも減らすことができます。
プロテクター入りの装備を着用する
車と違ってバイクには身を守るためのフレームやシートベルト、エアバッグなどがありません。ライダーの身を守るためにはそれらに近いものを着る必要があります。バイク事故の可能性を少しでも考えられる方であればプロテクター入りのジャケットやパンツ、ブーツの着用は必須になります。
緊急連絡先がわかるものを財布に入れておく
バイク事故のときは意識を失う可能性があります。緊急連絡先には
これらを財布に入れておくだけで事故処理はスムーズになります。事故の際は免許証を確認するため財布を見られるので財布の中、免許証の隣に緊急連絡先を書いたメモを入れておきましょう。
今あなたは「そこまでする?」と思いましたか?我々が趣味にしているものはそういう乗り物(バイクは危険な乗り物)なんですよ。
ダメージを最小限にするバイクの転び方
ダメージを最小限にする方法をバイクで転倒したら…という本人目線で解説します。
ギリギリまで粘ってゆっくりバイクを寝かせるようにするとバイクのダメージが少なくなる
ギリギリまでブレーキをし、減速行動を取る。速度を落とした方がバイクとライダーのダメージは減る。後輪がロックした場合は一度ペダルから足を離し、ロックを解除してから再びブレーキをかけます。ただし粘り過ぎには注意、速度や状況によってはバイクから離れる。
転倒した時点でバイクのダメージは変わらないので、すぐにハンドルから手を離す。バイクから離れるような回避行動を取る。
バイクは諦めて受け身をとることに集中する
特にバイクと一緒に滑っていくスリップダウンの場合は重い車体に巻き込まれないようにバイクから離れながら滑ることを意識しましょう。
ハンドルを握ったまま滑のはとても危険だよ。思わず握ってしまう気持ちはすごくわかるけど・・・
こういうときに紐の靴下を履いているとステップにひっかかってとても危険。
前方を走るバイクが転倒したら、慌てずに急制動もしくは緊急回避行動をとりましょう。つられて転倒しないように普段から車間距離をとるようにしましょう。
バイクで転倒したら、まず怪我の確認
転倒したら、事故直後はアドレナリンが出ているので痛みに鈍感になっています。特に脱臼や骨折をしているときに動いてしまうとダメージが悪化するので、
という段階にわけて骨の確認をして下さい。
ちゃんとした装備を身に着けていれば骨折以外の怪我はほとんどしないよ。マジでしないよ。
どこかに違和感があれば動かずに救急車を要請します。
バイクで転倒したら頭が混乱、アドレナリンでハイになるので正常な判断ができなくなることがあります。「だめならすぐ救急車」ということだけ覚えておけるように普段から意識しているようにしましょう。
血がでていたり、意識がなければすぐ救急車を呼びます。本人は正常な判断ができないので、本人が「大丈夫」と言っても・出血・顔色が悪くなる(骨折しています)・しばらく動けない場合はすぐに救急車を呼びましょう。
グループツーリングでは、転倒した本人以外のメンバーも動揺して正常な判断ができなくなっている場合が多いです。転倒しているバイク乗りの周りに、他のバイク乗りが立ち尽くしているような場面に遭遇した場合はまず、「救急車は呼びましたか?」と聞きましょう。本人が明らかに顔色が悪いのに「いや、本人が大丈夫って言うから…」と言ったりします(過去2回経験あり)。第三者であるあなたの方が正常な判断ができるはずなので救急車を呼んであげましょう。
バイクを引き起こし、移動させる【転倒したら周りの安全確保】
体に問題がなければバイクを引き起こし、安全な場所に移動させます。
それぞれ解説します。
メインキーかキルスイッチでエンジンを止める
MTのバイクであれば自然にエンストしているはずですが念のため記載しておきます。
アドレナリンが出ているうちにバイクを起こす
転倒した直後はアドレナリンが出ています。アドレナリンが出ている間は火事場のクソ力がでるので興奮状態のままバイクを引き起こしましょう。
引き起こしを手伝ってくれる人がいたら「ここ持って下さい」「ここは熱いので気をつけて下さい」とお願いしましょう。
バイクに乗らない方はバイクの構造や弱い部分を知りません。万一ウインカーを持たれて壊れたり火傷させてしまうとお互いに後味が悪くなってしまいます。
引き起こし方は下の記事を参考にして下さい。
安全な場所にバイクを移動させる
転倒した場所がコーナーの奥など、後続車から見にくい場所であればバイクを他の車輌から視認されやすい場所に移動させましょう。
たまにブランドコーナーに停める車とかバイクがいるけど本当に危険。超迷惑。絶対にやめよう。いや、やめろ。
将棋で言ったら一手先も読めないようなもんじゃぞ・・・
上の動画のような対応は控えめに言って最悪です。集団で道を塞いでいます。「後ろから車がきたら迷惑がかかる」という想像力を働かせましょう。
初心者がミス(転倒)をするのは仕方ないとして、それに他人を巻き込むのは仕方なくないよ。自分の都合だけで行動してはいけない。
自分のバイクをコーナーの手前に停めておくのはとても良い方法。車やバイクが来た時に「こんなところにバイクが停まっている?事故かな?」と思わせることができます。
転倒した人と一緒に起こす場合
引き起こしを手伝う際は念の為「どこ持てばいいですか?」と聞きましょう。手を貸せる人が複数いる場合は後続車への注意喚起や交通整理をしてもらったほうがいいです。
転倒した人が動けない場合
バイク事故を起こした人が意識不明、重傷の場合は引き起こし、移動の前に現場の写真を複数撮影しておきます。
救急隊員や警察が来たときに役に立つよ。
転倒した本人に意識があっても動けない場合、本人はとても不安な気持ちになっています。事故対応する人数に余裕があれば、本人を励まし続ける人がいると心強いです。過去に僕が見ず知らずの重症者の手を握りながら(ちゃんと男性です)励ましていた内容をスクリプトとして載せておきます。
- あなたはフルフェイスを被り、プロテクターもつけている。この事故は命まで届かないから安心していい
- バイクは宝物でしょ?バイクのダメージは少ないよ。体が治ればすぐ乗れるから心配いらないよ。
- 一緒に走りに来た友達に感謝だね。
- これが真夏で薄着だったらもっと辛いよ。横になってられないよ!現状は最悪ではないからゆっくり救急車待とうね。
- 今日はどこ向かってた?また次に来たらいいよ
- (すごく恐縮するので)お礼は大丈夫だよ。次に僕が転んでたら助けてくれればいいよ!
こんなことを繰り返していると良いです。
転んだ本人がハーフヘルメットとTシャツだったら最初のは言えないわね…
「こんな格好で乗ってたの?自己責任だから仕方ねーわなー!世話ねーわ!」とか言って交通誘導(他の車の安全優先)にまわればいいよ。
バイク事故後の路面の安全を確保
他の車輌が事故を起こさないように路面に散らばったパーツの破片などがあれば拾い、オイル類が道路に漏れている場合は警察か道路緊急ダイヤル(♯9910)に連絡します。到着するまでは、
ということをしましょう。特にバイクの場合はオイルを踏むと事故に直結します。
転倒したライダーが無事であればここでは手を貸す必要はありません。漏れたオイルをバックレそうな雰囲気が出ていたら「警察か道路緊急ダイヤル♯9910に連絡しないと次に通ったバイクが転ぶから電話しなね」と言って現場を離れましょう。
道路の異常に関しては下の記事を読んでみてね
バイクで転倒したら、バイクのダメージを確認
自分の怪我の確認と、周囲の安全が確保されて初めてバイクの心配をします。
ということをチェックし、自走できる状態かどうかを確認します。
エンジンをかけてみる【バイク転倒直後はかかりにくい】
転倒直後はエンジンがかからないことがほとんどです。エンジンが掛からないからといって慌てなくても大丈夫。対処方法はあります。
原因や対処方法は燃料供給装置がキャブレーターかインジェクションかで原因と対処方法が変わってきます。
キャブレーターフロートのからの燃料漏れ、もしくはプラグが被ってしまっていることが原因です。バイクを起こしてから5分ほど何もせずに待っていればエンジンはかかるようになります。
センサーによって電気的にエンジンをかからなくしています。メインキーとキルスイッチの両方をOFFにしてから再度ONにすればエンジンはかかります。
この2つでエンジンがかからなければ原因はもっと大きな何かなのでレッカーを手配しましょう。
バイク事故を起こした原因調査
エンジンがかかってホッとしたら、もしくはレッカーを待っている間にバイク事故の原因を調査し、次回同じ原因で事故を起こさないようにしましょう。
転倒しただけなら転倒したただけ、そこから学ぶことができれば成長できるよ!失敗から学ぼう!
バイク事故後には試走を行う
バイクが自走できる状態であれば走り出しますが、最初は慎重に走りましょう。
タイヤにオイルが着いていたり、ハンドルが曲がっていたりすることもあります。
「あれ?なんだかいつもより曲がらないぞ?」というのは単に恐怖心に支配されているだけのことが多いよ
その恐怖心が大事だったりするよ
救急車、警察、バイクレッカーの手配方法
スマホで現在位置の住所を調べます。近くに目印になるものを見つけられればその目印からどう進めば現場にたどり着けるのか、電話先の相手が地図を見ながら現場まで来られる情報を伝えられるように努めましょう。
スマホが壊れている場合は電柱を探して下さい。電柱には住所が書いてあります。
電話するのは救急車が先、事故の場合救急車を要請すると警察にも連絡が行って警察もくるよ。
救急車対応
バイク事故を起こしたライダーのダメージを知るために事故の発生状況を聞かれますがほとんど救急隊員任せです。事故をしたライダーの緊急連絡先を知れた場合は伝えます(病院からご家族などに連絡が行きます)。
他人であれば救急車に一緒に乗る必要はありません。ツーリングのメンバーであっても自分の携帯番号を伝え、搬送先が決まったら連絡をくれるようにお願いします。
ヘルメットやジャケットは救急車に載せるのがよいです。
後日修理したバイクを取りに行ったときのためにヘルメットやジャケットはライダーの手元にあった方がいいです。
警察官対応
事故処理のために事故の発生状況を聞かれます。二次被害を出さないためにバイクを移動した旨を伝えて撮影した写真を見せましょう。
自分の連絡先を警察官に聞かれるので教えてます。(基本的に後日連絡は来ません。相手がいる事故の場合は写真の提出を求められるかも?)
警察官が知りたい情報をすべて伝えたら警察官の方から「もう大丈夫です。ありがとうございます。」と言われるので現場を後にしましょう。
レッカー対応
レッカー会社の連絡先がわかればレッカーを手配して上げるのが良いです。レッカーは任意保険のサービスであることが多く、任意保険はバイクを購入したお店で加入することが多く、バイクを購入したお店でメンテナンス等々お世話になっていることが多いです。
ですので、バイク事故を起こしたライダーの緊急連絡先にバイク屋の番号があれば連絡をして上げれば丸投げできると思います。
レッカー時や修理時にバイクの鍵が必要になるのでバイクの鍵は挿しっぱなしにするか、シートバッグの中に入れたりしましょう。バッグに入れたりした場合はその旨をレッカー屋さんに伝えます。
冷たいやつと思われるかもしれませんが赤の他人であればレッカーが車で待つ必要はないと思います。ツーリングのメンバーなら待ちますが・・・。
救急車を読んだ時点でハナマル満点じゃからの。
「どれくらい関わるか」というのは難しいところですが、「たまたま通りかかった」という関係であればここまでで十分だと個人的には思いますし、過去に実際にこういう対応をしてきました。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
この記事があなたがバイク事故を起こしたときよりも、あなたが誰かを助けるときに役に立つことができれば尚嬉しく思います。
こんなこと考えてちゃバイクに乗れねーよ!Tシャツ半ヘルでツーリングだぜ!
という考えではいつまでも一人前のライダーにはなれないでしょう。我々はこういう乗り物を趣味にしているのです。
バイクは自己責任とは言え、バイク乗り同士の「お互い様」の気持ちは持ち続けたいのう。明日は我が身なのじゃ。
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