okoんにちは!okomoto店長のオコモトです!
この記事にたどり着いた方は
という方ではないでしょうか。
昔はライダー同士の意思疎通のツールとして当たり前のように使われていたハンドサインですが、インカムの登場により活躍の場は減ってきていると思います。
しかし、バイク歴が長い人がちょっとした合図も知らないとなんだかカッコがつかない気もしますし、インカムの接続が切れたときに、さっとハンドサインができればカッコいいですよね。
なによりハンドサインはバイクならではの文化なのでこの記事で一通りのサインを覚えていって頂ければと思います。
「ヘルメットの中はおれの空間だぜ!」とか言ってインカム使わない面倒くさいハンドサインガチ勢の人もたまにいるしね!
(せっかくのツーリング中にヘルメットの中で他人の声がするなんて耐えられない・・・)
ボクサーツインの上に缶コーヒーを置いて温めるように「不自由を楽しむ」のもバイクの醍醐味の1つじゃからの。手を使った合図、ハンドサインもそういう性質のもんじゃの。
この記事では
ということについて解説していきます。
記事後半では手を使った合図、ハンドサインの出し方や受け取り方などハンドサインを覚える以上に実用的なことも解説していくので是非最後まで読んでみてください。
僕が実際に使っているものも使っていないものも紹介します。
バイク乗りの手を使った合図、ハンドサインは自然発生的な文化です。「これが正しい!」というものは存在しません。この記事では一般的なものと僕が使っているものを紹介します。参考にして頂ければ幸いですが、それよりもあなたがお付き合いのあるコミュニティのサインを優先してください。もしくは仲間内で独自のサインを作るのも「不自由を楽しむバイク」という点ではとても良い選択だと思います。
マスツーリング時の手を使った合図、バイクハンドサイン
マスツーリングでのメンバー同士で行うタイプのハンドサインについて解説します。
休憩したい合図
コップで飲み物を飲む仕草をします。次のコンビニや自動販売機など飲み物が飲めるスペースに止まることになります。飲み物を携行しているグループだとちょっとしたスペースで小休止の可能性もあります。
ニュアンスとしては「ほんのちょっと休憩」
タバコ吸いたい
ヘルメット越しにタバコを吸う仕草をします。コンビニや道の駅など次の喫煙所がある施設に寄ることになります。
ニュアンスとしては「普通に休憩」。非喫煙者の方がこのサインを出したら単純に「ちょっとゆっくりできるところで休憩したい」に変わるよ。
トイレに行きたい
自分の膀胱付近を指差します。切迫度によって手を動かす速度を変えます。
手を速く動かせば「やばいよ!」という意味。トイレに行くのを伝えるのが恥ずかし方はタバコの仕草でも可。
ガソリン入れたい
給油口を指差します。切迫度によって手を動かす速度を変えます。
手を速く動かせば「やばいよ!」という意味。
ウインカーついてるよ
ウインカーの消し忘れを教えるために手をグーパーします。先頭や一番後ろのバイクのウインカーがついていると次の交差点で危険だったり後続車の迷惑になるので早めに伝えます。
逆に隊列の中にいるバイクなら危険は少ないから無理に知らせない場合もあるぞい。その場の状況じゃの。
次ここで休憩するよ
高速道路であればSAやPAの案内看板、一般道であれば道の駅やコンビニの案内看板を指差して休憩の予告をします。
予告すれば「そろそろトイレ行きたいなぁ」と考えているメンバーが安心するよ
サイドスタンドでてるよ
次の左折で転倒する可能性が高いのでサイドスタンドを指さして早めに教えます。とは言え最近のバイクはサイドスタンドがでているとエンジンがストップするので活躍の場は少ないです。
次の交差点で転ばないように早めに教えてあげよう
止まれることで止まりたいよ
自分のバイクや仲間のバイクに異常を感じたときなど「すぐにバイクを停めたい」というときに使います。左の腰のあたりを叩きながら先頭に出ます。「自分についてきて」というメッセージです。
目的地までのナビをセットしていて先頭を走れる状況であれば正直「休憩」「たばこ」「ガソリン」もこれで済ませることができます。
正直「前に出てグループの意思決定権を掌握する」ということをすれば多くのサインは不要になります。
Uターンするよ
頭の上で人差し指を回転させます。
Uターンをいきなり始めると後ろがつまったり、後ろのバイクが車線を広く使ってUターンすることが困難になるためあらかじめサインを出して予告します。
Uターンできる道幅や最初のバイクの角度は車種や技量によって大きく変わるからね・・・予告は優しさ!
前走っていいよ
道を譲るときと同じで、左ウインカーを出して右手を前後に振ります。
主にフリー走行のときに後ろのバイクが「もっと速く走りたいなぁ」という顔をしていたときに使います。
「ここから次の休憩場所まで」などと区間を決めて自由に走るときに使うよ。
後続車に道譲るよ
マスツーグループの車列に追いついた車両があれば速やかに道を譲ります。最後尾のバイクから順次譲れば問題ないですが、気付かないメンバーもいるので先頭のバイクが左手で拳を作り左に突き出します。
走るペースはそれぞれだから譲った方がお互いに気持ちいいよね。
千鳥走行解除
ワインディングなどに入ってときに千鳥走行を解除する合図です。ヘルメットの前に進行方向を指さすように手を持ってきます。「1列で走ろう」という意味です。
これは「追い越しありのフリー走行」を意味するものではなく「順番を維持したまま好きなラインで走る」というものです。
とはいえ、千鳥走行の開始や解除はいちいち指示しなくても各自の判断やその場の状況で自然に行われることが多いです。しかもこのサインは後ろのバイクから確認しづらいのであまり使われることのないサインです。
千鳥走行は場面に合わせてそれぞれ判断した方がうまくいったりするよ。事前に「千鳥できるとこは千鳥ね!」とか打ち合わせていればね。
千鳥走行始めるよ
ワインディングが終わって千鳥走行を始めるときに出すハンドサインです。ヘルメットの前に進行方向を指さすようにピースサインを作ります。「2列で走ろう」という意味です。
このサインも解除のサインと同じ理由で使われることは少ないサインです。
初心者さんが多いグループだとサインを出した方がうまくいくのかもね。
エンジンスタートの合図
出発直前にツーリングのリーダーが周りにエンジンをかけるようにうながすサインです。人差し指を頭の左上で回します。
とはいえ、準備ができたら勝手にエンジンをかけるのでこのサインは使ったことはありません。エンジン始動のタイミングまでリーダーにとやかく指示されたくないです。
爆音マフラーの集団なら周りの迷惑を考えてぎりぎりまでエンジンをかけないのかも?
停止する合図
開いた左手を左下に下げます。停車を意味するサインですがブレーキランプがあるのでとくに出したことはありません。
テールランプがつかない時の手信号ですね。
そんな状態でツーリングに行かないので一生使わないであろうサインです。
適切な車間を取っているグループには不要なサインじゃの。
準備OKの合図
いつでも出発できる準備が整ったら左ミラーの上に手を乗せて意思表示をします。
人数が多いマスツーリングだとリーダーが楽になります。
僕のバイクバーエンドミラー・・・
障害物の合図
砂や落下物など障害物を発見したらそれを指さして注意喚起します。
ただし、ガチンコの障害物は指を指している余裕はないので「先頭のオレ、ちゃんと気にしているよ!偉いだろ!」的なニュアンスが強いサインだと思っています。
指をさす余裕がないときは頭の上に手をもっていくだけで後続車は警戒してくれるのでそれでも十分です。
とはいえ、公道を走る時点で障害物の回避は自己責任なので無理に出して自分に危険が及びそうならサインを出す必要はないと思います。
サインを出して障害物に突っ込んだら本末転倒の転倒よね・・・
抜かないでの合図
左手で後ろのバイクを抑えるようなサインです。
基本的にマスツーリング中は抜いたり抜かれたりすることはありませんが、なにかしらの理由でわざわざ「今抜きたいかもしれないけど抜かないでね」と伝えるためのサインです。
「先に行かせるサイン」の逆ですね。
使わないサインね
エンジン停止の合図
左グリップの上あたりで肘を曲げた腕を動かします。「エンジン掛けて」のサインと同じで余計なお世話です。
予定外に道の端に止まるときなんかは役に立つぞい
左折の合図
左手を左にまっすぐ伸ばします。ウインカーがあるのでウインカーが壊れていない限り使わないサインです。
ハンドサインというか手信号
右折の合図
左手の肘を曲げて拳は上に向かせます。これもウインカーが無事なら一生使いません。
ハンドサインというか手信号
減速の合図
左手の手のひらを下に向けて上下させます。後続車に対してはブレーキランプが壊れていない限り使わないサインですが対向車に減速を促すときはよく使います。
「ペースダウンを促すサイン」とされていますが、後続車は前を走るバイクのペースに合わせて走るのでこんなサインは不要です。
後続車に対しては手信号、対向車に対しては危険を知らせるサインになるよ。
加速の合図
左手を前後に振ります。「もっと加速しろ」のサインです。後続車は前を走るバイクのペースに合わせて走るのでこんなサインは不要です。
加速を促し、煽るようなサインを出す人とはツーリングに行かない方がいいよ
警察発見の合図
頭の上で人差し指を回してパトランプを表現します。
Uターンのサインと同じですが、そのときの速度でどちらのサインか見分けることが多いです。
ゆっくり走っているときはUターンの可能性大。高速走行中なら警察の可能性大。
対向車への、対向車からのバイクハンドサイン
対向車へ出すサイン、対向車からもらうサインについて解説します。
この先ネズミ捕りの合図
マスツーリング仲間に出すサインの内「警察発見」と「速度落とせ」の複合サインになります。
スロットルから手を離さないように左手でやるのが主流らしいですが、僕は対向車から見やすいように右手で行っています。
対向車の四輪にも二輪にも、原付にも出します。やめ時がわからなくなります。
この先事故・この先落下物の合図
対向車線で事故があったり、落下物があるなどして危険を予知した場合は対向車に速度を落とすようにハンドサインを出します。
それが事故なのか落下物なのかコーナーの真ん中で車を停めているのかは伝えられませんがハンドサインを見た対向車が異常を察知して速度を落とせば事故を防ぐことができるかもしれません。
ネズミ捕りの場合もこのサインだけで大丈夫だったりします。大切なのは対向車が速度を落とすように促すこと!
ヘッドライトつきっぱなしの合図
ヘッドライトつけっぱなしの対向車には手をグーパーして教えます。このサインは「灯火類のつけっぱなし」を知らせるサインなのでウインカーと共通です。
ウインカーつきっぱなしの合図
ウインカーつけっぱなしの対向車には手をグーパーして教えます。このサインは「灯火類のつけっぱなし」を知らせるサインなのでヘッドライトと共通です。
ハンドサインではないですが、対向のバイクではなく四輪から「ネズミ捕り注意」「ウインカーつきっぱなし」「速度落とせ」というサインを頂くことがあります。
そのサインはすべてパッシングによるものなので対向車からパッシングをもらったらお礼の挨拶をして速度を落として注意深く運転しましょう。
危険な車に注意喚起~中指~
危険な割り込みなどをしてきた車に出すサインです。このサインを出すことで「今の運転で不快に思う人もいる」ということを知ってもらい、次に同じような運転をしないようになればいいなと思っています。
外国人の方が大好きなサインなので皆さんご存知かと思います。
イラっとした気持ちを落ち着かせる効果もあるよ。嫌なものは吐き出してすっきりした方がいいよ。
危険な車に注意喚起~節穴を指摘~
危険飛び出しなどをしてきた車に出すサインです。相手の目をディスっている意味合いです。
危険な車に注意喚起~頭を撃ち抜く~
手で銃の形を作ってこめかみに銃口をポンポンを当てます。相手の頭をディスっているニュアンスです。
「少し頭がぼーっとしていましたね。気をつけてくださいね。」「頭おかしいんじゃないの?」「今すぐ頭を撃ち抜けや!」というニュアンス。
危険な車に注意喚起~首を撫でる~
指先で頸動脈を撫でる仕草をします。動作が小さい分静かな怒りを演出できるのでクールです。相手に伝わりにくいので「相手に何か伝えるため」ではなく、「自分の気持を切り替えるため」に使用すると良いです。
「お互い気をつけましょうね」「今すぐ首切ってピーねや!」「ぶっピーすぞ!」というニュアンス。
ヤエー
対向車線のバイクにピースサインをすると
旅の安全を祈ります。
というサインになります。相手がピースサインを返すと
君もね。安全にね。
という会話が成立したことになります。詳しくは下の詳細記事で解説しています。
マスツーリング時のハンドサインの出し方
ここからはマスツーリングでのハンドサインの出し方について
という2つに分けて解説します。
先頭のバイクから後ろのバイクに合図、ハンドサインを出す場合
先頭のバイク(そのツーリングのリーダー)が出すサインは後ろのメンバーの視界に入るのでいつでも出して問題ないです。
メンバーが多く、先頭の姿が後ろのメンバーから見えない場合はサインの中継をするライダーを中間に何人か配置しておきます。
ちなみに先頭のバイクが「ガソリン入れたい」と思ったらサインをせずにガソリンスタンドに入ればいいよ。いちいちお断りを入れる必要はないの。なぜならそのツーリングのリーダーだから。
「ガソリン入れたい」のサインを出して「ダメ」っていう人はいないからね・・・
後ろを走るバイクから前のバイクに合図、ハンドサインを出す場合
後ろを走るバイクから前に対してサインを出すときは「パッシングをしてどんどん前にサインを伝えてもらう」という方法が一般的だとされていますが、この方法は全く使えません。
日中の明るいときにパッシングをされても気づきません。
あれ?パッシングされた?ギャップを踏んだだけかな?
などとやっている間にコンビニやガソリンスタンドが通り過ぎてしまいます。
もっとも確実な方法は「車列を追い越してリーダーだけにサインを伝えに行く」です。指揮系統を制圧してしまえば楽勝です。
リーダーにサインを出して「ガソリン入れたい」という旨を伝え、そのままリーダーも追い越して先頭を走ってガソリンスタンドに入れば良いです。
あんまりやりすぎると「お前が先頭走れよ!」となるのでほどほどに・・・
先頭は速度違反で捕まる可能性とかリスクが高いんだよね。
出発前にこの方法を採用することを打ち合わせておけば問題ないぞい
マスツーリング時に合図を受け取ったら
ハンドサインを受け取った側は「OKサイン」などを出して
OK!サイン受け取ったよ!
という返事をしてあげましょう。これをしないと相手は伝わったか不安になり、サインを出し続けるかもしれません。
意外に思うかもしれませんが、ここで重要なのは「サインを正しく受け取れなくても全く問題ない」ということです。
ハンドサインの多くは内容が伝わらなくても結果オーライになる場合がほとんどなのです。
そんんなことあるの??
ハンドサインは難しいものではないのじゃ
具体例を挙げて解説します。
(ガソリン入れたい)
(オッケーオッケー)
(このまま先頭走ってガソスタ入ろう)
~ガソリンスタンドにて~
トイレのサインかと思ったわ!HAHAHA!
となっても結果ガソリンは入れられるのでなんの問題もないということ。
野暮なのは
(ガソリン入れたい)
何のサインかわかんないのよ!!
(あれ?伝わってない?ガソリンガソリン!)
あ?だからわかんねーって!ちゃとサインしろや!タンクなのかボーコーなのか!!!
(もういいや)
というやり取りです。
スマートなやり取りは
(ガソリン入れたい)
(何のサインかわかんないけどOKOK!先走ってちょーだい!)
(伝わったぜ!!安心だぜ!!ガソスタ寄るぜ!!!)
「どこかに寄る」という以外のサインは「本来自分で処理しなければならないこと(ウインカー消し忘れなど)のフォロー」に過ぎません。ですのでそれらが伝わらなくても自己責任の範疇で問題はないのです。
集団行動するときにガソスタや休憩に寄れなければ問題だけど他は個人で解決すべきことってこと!
対向車へのバイク合図の出し方
対向車へハンドサインを出すときは
ということをしてからハンドサインを出すのがおすすめです。
バイク同士ですれ違う場合であれば自然とバイクに目が行くのでハンドサインを受け取ってもらえることが多いですが、車の場合はバイクに興味はないので目が行きません。
こちらがハンドサインをしても視界に入らないことが多いので一度相手の気を引いてからサインを出すようにしましょう。
対向車からハンドサイン、合図を受け取ったら
対向車からハンドサインやパッシングを受け取ったらヤエー以外のサインは「なにかに備えて減速する」という対応になります。
サイン、パッシングをしてくれたライダー、ドライバーさんには軽く手を挙げて「何かしらは受け取りました。ご忠告をきいて減速します。ありがとう。」と謝意を伝えましょう。
「オッケーサイン」「サムアップ」だとなんだか偉そうで馴れ馴れしい感じがするので僕は手を挙げています。道を譲ってもらったときと同じ感じです。
お礼のスタイルはお好みで!
まとめ
いかがでしたでしょうか。
バイクを運転するときに使ったり使わなかったり受け取ったり渡したりするハンドサインを網羅的に紹介しました。
こんなに覚えらんないわよ・・・
という方は
と、先頭に出ればだいたいうまくいく、なんとなく受け取っても問題ないということを覚えておけば十分かなと思います。
移動手段としてはとても不自由なバイクですが、その不自由さを楽しむためのツールとも言えるハンドサインをこの機会に是非マスターしてみてください。
余計なサインが何個か混じっておったがそれはマスターする必要はないぞい。
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