okoんにちは!okomoto店長のオコモトです!
この記事にたどり着いた方は
という方ではないでしょうか。
僕がバイクの乗り方を勉強し始めたのは250ccネイキッドのバイクを単独事故で廃車にし、鎖骨と数本の肋骨がくっついた後でした。
所謂「バイクの先輩や先生」がいない僕にとって、先生役をやってくれるのは前を走るライダーや本、そしてネットの情報でした。
ライディングテクニックの説明には専門用語が多く使われ、とても敷居を高く感じていました。しかもその情報は断片的なものしかなく、散らばった情報を順番に並べていく作業に苦労したことを覚えています。
また、ライディングテクニックは正解も終わりもないものなので人によって説明していることが全く違っていてとても混乱しやすいものでした。
トライ&エラーを繰り返し、ようやく「人並みにバイクに乗れている」という強い実感を得たときは「だいぶ遠回りしたのかな?」などと思っていました。
ネットの情報を見てみると、現在も状況は変わっていなかったので、「骨がくっついた直後の過去の僕」に読ませたい記事を自分で書くことにしました。
この記事には
ということを書いていきます。
速さよりも楽しさを優先してはいますが、中型バイクに乗っていても「ワインディングでは大型バイクに譲る回数より讓られる回数の方が多くなるくらい」のペースでは走れるようになります。
なお、この記事では膝のすり方については解説していないので膝すりに興味がある方は下の記事に移動して下さい。
この記事にはコーナリングの流れを書いていきます。深堀りして解説が必要な項目に関しては別記事のリンクを張って行きますので不明点があれば別記事で補完して下さい。青文字の部分も関係記事と繋がっています。
別記事は少しずつ増えていくよ。
この記事では
ということについて知ることができます。
この記事は長いので休み休み読んで下さい。このサイトの検索窓に「コーナリング練習」と入れればいつでも呼び出せます。当サイトのブックマークをお忘れなく!
バイクコーナリング練習に必要な物
安全性はもちろん、操作性や未来の危険も考慮すると上の物が必要になります。レザーパンツやニーグリップパッドは特に操作性が上がります。
自分が転倒してしまった場合や、他のライダーが転倒していた時に備えて知識も身につけておきましょう。
詳しくは上のテキストリンク先を読んで下さい。
バイクコーナリング練習を行う場所
コーナリングの練習は「いつもの峠」で行います。
バイク乗りに必須とも言える「いつもの峠」をまだお持ちでない方は下の記事を参考に、まずは「いつもの峠」を探すところから始めてください。
専門用語「荷重」「トラクション」「グリップ」
ライテクの解説に便利な専門用語があります。テクニックの解説に入る前に
という言葉についてそれぞれ簡単に解説します。
荷重(かじゅう)
という理解でいいかと思います。よく出てくる荷重としては
などがあります。
トラクション
トラクションとは、直訳すると「牽引力」です。意訳すると「駆動力」です。
バイクは後輪駆動なので、
という表現はそれぞれ
という意味になります。
グリップ
「グリップ」とはタイヤと路面との摩擦力のことです。
ライディングテクニックの解説でグリップは「グリップ力」「グリップ感」「グリップを引き出す」という使われ方をされることが多いです。
それぞれ
タイヤが路面を掴む力。グリップ力が高いと滑りにくく、低いと滑りやすいということ。
グリップ力は数字で表されるものではないのでライダーの感覚で「滑る気がしないな、グリップ力が高いな」などと感じることでタイヤのグリップを表現します。「グリップ感が高い」というと「グリップ力が高く感じる」ということになります。
グリップ力はライダーが積極的に荷重をかけたりトラクションをかけることで、もともとタイヤが持っているグリップ力の性能範囲内で高くなったり低くなったりします。「グリップを引き出す」とは「本来タイヤが持っているグリップ力をきちんと引き出す」ということになります。
という意味になります。
バイクコーナリング練習の基本のフォーム、乗車姿勢
それぞれ簡単に解説します。
ステップには親指の付け根を乗せ、足をヒールガードにつける【バイクコーナリング練習の基本のフォーム、乗車姿勢】
ステップにはつま先(親指の付け根付近)を乗せた方が力をかけやすくなります。ヒールガードに内くるぶしを押し付けましょう。
うまく押し付けられない方は下の記事を読んでみてください。
タンクから拳1つ分間隔を空けてシートに座る【バイクコーナリング練習の基本のフォーム、乗車姿勢】
タンクに股間をつけるとシートの上で移動できなくなるので拳1つ分くらい空けて座りましょう。
上半身は基本リラックス【バイクコーナリング練習の基本のフォーム、乗車姿勢】
下半身で体重を支えるので上半身はリラックスさせます。ハンドルを握って腕で体重を支えているとバイクは全く曲がらなくなります。
極端なことを言うと「スロットルやスイッチがついているから嫌々手を添えている」くらいの気持ちでいましょう。
これはバイクの傾きに応じて自然とハンドルが切れるセルフステアという現象の邪魔をしないためです。
詳しくは下の詳細記事を読んでみてください
腰を曲げる(好みで背中も)【バイクコーナリング練習の基本のフォーム、乗車姿勢】
ハンドルは手を伸ばして迎えに行くのではなく、腰を曲げて迎えにいきます。
手で迎えに行くと腕の関節が伸びてハンドルで体重を支えてしまうようになってしまいます。
衝撃を吸収するために背中を曲げるという乗り方もあります。これはどちらでも構いません。お好みの方、運転しやすい方を選んでください。
グリップを外側から斜めに握る【バイクコーナリング練習の基本のフォーム、乗車姿勢】
手を外側から回すようにしてグリップを握ります。胸の前で球体を抱えるようなイメージです。
グリップを握る手は必然的にグリップに対して斜めに当たります。
あごを引く【バイクコーナリング練習の基本のフォーム、乗車姿勢】
あごを出していると背中が反り、腕が突っ張ってしまうのでやや上目使いであごを引きましょう。
頭の位置はトップブリッジの上から外さない【バイクコーナリング練習の基本のフォーム、乗車姿勢】
頭はフロントフォークの延長上から外さないようにします。トップブリッジの範囲から頭がでないように意識してみましょう。
こうすることで重量物である頭部の重さが背骨、シートを通ってリアタイヤに乗せることができます。
頭をイン側(コーナーの内側)に移動させてより強く曲がる方法もありますが、頭の位置が低くなり危険察知が遅くなるので恐怖心が増します。その結果うまく乗れなくなることも多いので初めの内は頭はトップブリッジの上から外さないようにしましょう。
センター固定にするか、イン側に落とすかは好みだよ。ただ、センター固定の方が「リアタイヤに頭乗ってる感」が強く感じられる。一度両方試してみよう。
乗車姿勢について詳しくは下の詳細記事を読んでみてください
目線はガードレールの端に送り続ける【バイクコーナリング練習の基本のフォーム、乗車姿勢】
コーナーの先を見よう!
と説明されることが多い「目線」ですが、もう少し具体的に書くと「外側のガードレールの見えている先端」です。
バイクはどんどん前に進むのでガードレールの先端もどんどん奥まで見えるようになっていきます。それに合わせて視線もどんどん送っていきます。
これを見ることでコーナーがどれくらいの角度で曲がっているのかがよくわかります。ガードレールがない場合は白線やセンターラインを見るようにします。
見たい方向に頭を向けると肩が向き、片が向くと腰が向き、腰が向くと足が向き、体全体が向くとバイクが向くので、ガードレールの先に視線を送るときは「頭」とそれに連動して動く体全体を意識してみると「目線で曲がる」を体感できます。
詳しくは下の詳細記事を読んでみてください
走行ラインは安全を保てるアウトインアウト
コーナリング時の走行ラインは基本的にアウトインアウトがもっとも曲がりやすいです。「アウトインアウト」というと
サーキットじゃあるまいし!インに寄りすぎたら対向車と接触するだろ!
と考える方もいます。
コーナーの外側(アウト)から進入し、内側(イン)を通って、外側(アウト)に抜けていく走行ラインのこと。
アウトインアウトは危険じゃないの?
「アウトインアウト」を「車線のギリギリアウトからギリギリインまで使う」と考えずに、「安全を確保できるほどほどのアウトからほどほどのイン」と考えれば問題ありません。
どんな曲がり方をしたも「コーナーのアウトから入ってインを通ってアウトに抜ける」という走行ラインがもっともコーナーを安全に広く使えます。
サーキットじゃあるまいし!インに寄りすぎたら対向車と接触するだろ!
と思考停止にならず。
コーナーを広く使うためにギリギリではない、余裕をもったアウトインアウトをするのね!
と考えましょう。
詳しくは下の詳細記事を読んでみてください
バイクのコーナリング練習は走行ラインを5つの区間に分ける
1つのコーナーを
5つの区間にわけて処理していきます。それぞれの区間でやるべきことは決まっていますが、それらの区間は
というようにそれぞれが繋がっています。
それぞれの区間で行うことを理解し、次の区間にスムーズに移れるように意識するとコーナリングは上達していきます。
それぞれの区間を詳しく解説していきます。
シフトダウン区間
スロットル | シフトダウンに合わせてブリッピング |
ブレーキ | 操作なし |
荷重 | エンジンブレーキのためやや前荷重がかかる |
それぞれ解説します。
ブレーキングとシフトダウンを分ける【シフトダウン区間】
コンマ1秒を競っているのであれば四輪のヒール・アンド・トゥのようにブレーキングとシフトダウンを同時に行う必要がありますが、我々のようなハッピーツーリンガーはシフトダウンとブレーキングを分けた方が良いと思っています。
ちなみに昔の走り屋さんはブレーキングとシフトダウンを同時に行うために、レバーを中指1本か中指と薬指の2本で操作する方も多かったそうです。
長い指を使っていたのね!
ちなみにクラッチレバーも右手に合わせて同じ指を使う人が多かったそうです。僕も一生懸命走っていたときにブレーキとシフトダウンを同時にやっていた名残で両レバーは中指と薬指です。
シフトダウンはブリッピングシフトダウン【シフトダウン区間】
コーナーが連続する峠では半クラッチでシフトダウンをしているととても間に合いません。一瞬でシフトダウンができるブリッピングシフトダウンを使ってギアを下げていきます。
1速は使わない【シフトダウン区間】
しも2速から1速に落とすときにニュートラルに入ってしまうと、ブレーキが間に合わずそのままガードレールに直行する可能性が非常に高いです。
安全のためにコーナリングのためのギアの下限は2速にしておきましょう。
1速で曲がるには繊細なアクセルワークも必要になってくるしね
楽しく安全にライディングするなら1速は発進ギアだと割り切った方がいいよ
僕はバイクが下手だし、安全第一なのでコーナリングでは1速には入れません!
シフトダウンは減速ではなく、立ち上がりの加速のため【シフトダウン区間】
ここでのシフトダウンは「コーナー進入の減速のため」と考えてしまいがちですが、実はそうではなく、コーナリングの最終区間「立ち上がり」のときにリアタイヤにリア荷重をかけ、トラクションを引き出し、グリップ力を上げるためです。
コーナリング中にシフトダウンをするとコーナリングの段取りがすべて崩れてしまうのでシフトダウンは行いません。コーナリング前に立ち上がりのためのギアに入れておく必要があるのです。
適切なギアに入れておかないと、コーナーの立ち上がりでノッキング(エンジンガクガクなる)を起こしてしまい、十分なグリップ力を引き出せずにだらしなく立ち上がっていくことになってしまいます。
僕は60キkm/h以下でコーナリングしていく場合はだいたい2速に入れています。
ブレーキング区間
スロットル | 全閉 |
ブレーキ | サスを沈ませるためフロント主体 |
荷重 | バイクはブレーキで前荷重、ライダーは外足荷重 |
ブレーキング区間の目的は「減速」と「サスを縮める」「曲がる姿勢を作る」の3つです。
それぞれ解説します。
コーナーの立ち上がりで少し不満が残るくらいになる速度まで減速する【ブレーキング区間】
1つ目の目的「減速」についてです。
「どれくらいの速度まで減速するか」というのは当然コーナーのキツさによって変わりますが、目安としてはコーナーを立ち上がるときに
いまのコーナーはもう少し速度があった方が良かったかなぁ!
と少々不満が残るくらいを目指すのが良いです。普段からこの速度を目指していれば
という安全な速度になるからです。
一次旋回のためにフロントサスを縮める【ブレーキング区間】
2つ目の目的「サスを縮める」についてです。
ブレーキをかけると慣性の法則によってフロントサスは縮み、バイクは「前下がり、後ろ上がり」の状態になります。
ちょっとかっこをつけて専門用語を使うと「キャスター角が立っている状態」という感じです。
キャスター角とは乱暴にいうと地面に対するフロントフォークの角度です。アメリカンのようなバイクはキャスターが寝ているバイク、オフロードバイクのようなコンパクトなバイクはキャスターが立っているバイクです。
バイクはキャスターが立っている方が高い旋回力を発揮できるので、ブレーキングによってフロントサスペンションを縮め、キャスターを立てた状態で一時旋回に備えるということです。
10:0でフロントブレーキ【ブレーキング区間】
フロントサスペンションを縮めたいのでブレーキングはフロント主体になります。教習所ではフロント7:リア3と教えられますが、コーナリングのためのブレーキングは10:0でも良いくらいです。
一気にサスが縮まないようにする【ブレーキング区間】
ブレーキレバーをいきなり強く引いてしまうとサスがガツンと沈みます。速度に見合わないくらい沈んでしまうと、「見合わなかった分、サスペンションが戻ってくる」ことになるのでサスの動きが安定しません。これを防ぐために
というブレーキのかけ方をします。
一次旋回のための姿勢を作っておく【ブレーキング区間】
3つ目の目的「姿勢を作る」についてです。
先程「キャスターが立っている方が高い旋回力を発揮できる」と解説しましたが、これはブレーキがかかっていないときのことを指しています。
ブレーキをかけないでキャスターが立ってるってっどういう状況??
次の区間で解説するから今は流してて!
ブレーキ区間では車体を後ろに引っ張る力が働いているのでバイクはとても安定し、直進状態を保とうとします。
これを利用して、ブレーキ区間では「曲がるためのポジション」をバイクの上で作っておきます。
曲がるためのポジションは速度やコーナーのきつさによって変わります。
速度が遅かったり、緩やかなコーナーの場合は
くらいに姿勢を変化させれば良いです。
タイトコーナーを速く曲がる場合はバイクに積極的に荷重をかけて曲がる必要があるので
という姿勢を作ります。
詳しくは下の詳細記事を読んでみてください
バイク曲がる指示を出しつつまっすぐ走らせることを意識する【ブレーキング区間】
3つ目の目的「姿勢を作る」で意識するのは「ブレーキングによってバイクは直進しているが、ライダーはバイクに「曲がる指示」を出している状態」ということです。
逆に言えば「ブレーキを離したらいつでも曲がり始める状態」ということです。これはそのまま次の区間、一次旋回につながっていきます。
もうひとつの走行ライン【ブレーキング区間】
ここの内容は全く一般的な内容ではないので参考にしないでください。ただ、バイクはちょっとしたイメージで走りが激変することもあるので誰かの何かのヒントになればと思い書いておきます。
ブレーキング区間の走行ラインには3つあると思っています。
「曲がる指示を出しているライン」と「実際の走行ライン」は先述の通りですが、もう一つ「バイクを進ませるイメージの走行ライン」です。
ブレーキングでバイクがまっすぐ進むといっても低速コーナーではそれほど強いブレーキをかけることができないことが多いです。
強くはないブレーキをかけるのに対して、曲がるための姿勢を作るときにがっつり外足荷重をかけているので「曲がる指示を出している走行ライン」にひっぱられてしまうことがあります。
そんなときは「バイクを進ませるイメージの走行ライン」と意識します。
つまり、「体で指示を出しているライン」と「バイクを進ませるイメージのライン」が釣り合ったところに実際の走行ラインが来るという感じです。
「体が出している指示」が強ければ強ほど程バランスをとるために「バイクを進ませるイメージのライン」は外へ外へと押し出されていく感じです。
確かに何言ってるかわかんなかったわ・・・
一次旋回(向き変え)
スロットル | 全閉のままか、スロットルの遊びを取る |
ブレーキ | 上級者はスパッと解除、初心者はジワッと解除 |
荷重 | バイクは遠心力で前荷重、ライダーは外足荷重 |
それぞれ解説します。
バイクにきっかけを与えてバンクさせる(ブレーキリリース)【一次旋回(向き変え)】
一次旋回は、それまでブレーキングで安定していたバイクのブレーキを解除し、車体を不安定にさせたところに「倒し込むきっかけ」を与えて一気にバイクをバンク(傾ける)させる区間です。
倒し込むきっかけは
などがありますが、カウンターステアや内足荷重は操作の煩雑さやリスクを考えると我々ハッピーツーリンガーには必要ないと考えています。
詳しくは下の詳細記事を読んでみてください
ここで我々ハッピーツーリンガーが入力するきっかけは「ブレーキレバーを離す」ということだけです。
ブレーキ区間では「ブレーキを離したらいつでも曲がり始める状態」になっているので一次旋回に入ったときにブレーキを離せばバイクは今まで我慢していた分を取り戻すかのようにバンクして行きます。
上半身を伏せる【一次旋回(向き変え)】
ブレーキングによる減速Gに耐えるために起こしておいた上半身ですが、ブレーキレバーを離せばその必要がないので上半身を伏せます。
上半身を伏せるのには2つの意味があります。
バイクを運転するのに恐怖心はとても大事ですが、過度な恐怖心はバイクを傾けるときにライディングの邪魔になります。
フロントサスペンションを沈めておくブレーキの力を逃がさないように遠心力に置き換える【一次旋回(向き変え)】
フロントが下がってリアが上がっている状態はバイクにとってとても曲がりやすい状態です。ブレーキを解除するとそれまでブレーキングによって沈んでいたフロントサスペンションが伸びようとしてくるので、サスを沈めておく力を遠心力に置き換え、曲がりやすい状態を維持します。
ブレーキレバーは遠心力とのバランスを感じながら、引きずりながら離す【一次旋回(向き変え)】
上手な人はブレーキレバーをパッと離して一気にバイクをバンクさせてバイクの向きを変える「倒れるような向き変え」を行います。我々のようなハッピーツーリンガーはまず「サスを縮めておく力がブレーキングから遠心力に置き換わる過程」を大事にした方がいいので一気にレバーを離さない方がいいです。
最初に少しレバーを引く力を緩め、フロントサスが沈んだまま(戻ってこない)で少しバイクがバンクするのを感じてからブレーキレバーを離してコーナリングしていきます。最初はフロントブレーキを引きずりながらコーナーに入っていくイメージです。
コーナリングの度にほんのわずかずつ、引きずる間隔を短くしていきます。
遠心力に置き換わる間隔を掴みながらこれを繰り返し、最終的にレバーをスパッと離す「倒れるような向き変え」を行えるようになります。
この感覚は大事にしたいので、倒れるような向き変えができるようになるまでは数か月みたほうがいいです。少しずつやっていきましょう。
向き変えできるのなら倒し込みはなるべく奥の方がいい【一次旋回(向き変え)】
向き変えのタイミングを自分でコントロールできるようになったら、向き変えはなるべくコーナーの奥で行った方が良いです。
奥までつっこむって危ないんじゃないの?
あくまでも突っ込めるようになったら・・・という話です。コントローラブルになったらですよ。
楽しく走ろうとするとオーバースピードで突っ込むことはないよ。早く走ろうとするからオーバースピードになるんだよ。
向き変え(一時旋回のこと)をコーナー手前で行えば行うほど、コーナリング後半(二次旋回)で曲がらなければならない角度が増え、奥で行えば行うほど曲がらなければならない角度が減るからです。
つまり、一時旋回を奥で行えば行うほど二次旋回に余裕ができるということです。
二次旋回に余裕ができるということは
バイクを倒してはみたものの、思ったよりコーナーがきつかった!曲がり切れない!
ということがなくなります。
先ほど解説した「置き換えを感じる区間」が短くなるのに比例して少しずつ倒し込みのポイントを奥にしてみましょう。
二次旋回
スロットル | パーシャルから徐々に開ける |
ブレーキ | 基本は操作なし、姿勢制御のためにリアを引きずることも |
荷重 | バイクはフロント荷重から徐々にリア荷重へ移行、ライダーは外足荷重 |
それぞれ解説します。
二次旋回は一時旋回の力を逃がさないように荷重の移動を感じる【二次旋回】
二次旋回で一番大切なのが今までフロント荷重でコーナリング主体だった車体にリア荷重にして、加速体勢に入ることです。
車体にかけるリア荷重はブレーキングから大切にしてきたフロント荷重を少しずつリアに移していくイメージです。
リアにしっかりと荷重がかかるとリアサスが縮み、タイヤが路面に押し付けられてたわむことでグリップ力があがます。バイクを傾けた状態でタイヤがしっかりグリップするとバイクは内側に旋回力をましてぐいぐい曲がっていきます。
リアタイヤに押し出されるように舵角がついて曲がっていく感じ?
アクセルを開けて曲がるのを急かす感じがするよね。
スロットルを開けるたびにフロントが伸びてリアが沈む感覚を掴むように丁寧に乗りましょう。
しっかり伏せる【二次旋回】
ブレーキング時は減速Gに耐えるために上半身を起こしていました。一次旋回の時に「バンクの恐怖心を減らすため」に上体を伏せました。二次旋回中も状態は伏せたままです。
上半身を伏せたまま、頭をステムの延長(トップブリッジの上)に配置しておくと荷重がかかっていくリアタイヤの様子を感じ取りやすくなります。
これは重量物である頭の重さが背骨を通ってシートを伝わり、リアタイヤに乗るせいだと思っています。
イン側に頭を落としてバイクをバンクさせる力に使う方法もありますが、我々ハッピーツーリンガーはまず「頭の重さがリアタイヤに乗る≒リア荷重ができている」という感覚を掴む方向に(文字通り)頭を使うのがいいかと思います。
スロットルはパーシャルから徐々に開けていく【二次旋回】
フロントサスペンションを沈めている荷重は、スロットルを開けるのに比例してリアに移行していきます。
荷重の移動を感じられるようにゆっくりとスロットルを開けていきましょう。
高速コーナーではスロットルを開ける前にパーシャル(加速もせず、エンジンブレーキもかからない中立なスロットル開度)に当てることになりますし、多くのバイクが上手な方はパーシャルにあてます。パーシャル区間はフロント荷重とリア荷重が釣り合っているいわば「待ち」の区間です。アクセルを開ければ荷重がリアに移って旋回を始めるので「旋回待ち」という状態です。
しかし、我々のようなハッピーツーリンガーはいつもの峠のタイトコーナーで練習をしているのでパーシャル区間を意識するとコーナーが終わってしまうこともあります。
速度域が低いコーナーではパーシャルを意識せずに一次旋回が終わったらスロットルの遊びを取ったら早めに少しずつ開けていくのがいいと思います。
低い速度のタイトコーナーで荷重の移動を感じられるようになると、高速で長いコーナーの時に「まだリアに荷重を移すの早い気がする・・・」と感じられるようになるのでタイトコーナーで慣れてからパーシャルを意識するようにしましょう。
車体が落ち着かない感じがする場合はスロットルを開けながらリアブレーキを引きずる
パーシャルもしくはアクセルを開けているときに車体が不安定になる感じがするときはリアブレーキをほんの少しかけて引きずると車体は安定します。
バイクアクセルを開けて駆動力を路面に伝えているときや、ブレーキをかけているときはバイクは安定していきます。
ブレーキング区間もフロントブレーキをかけるから車体が安定して直進し続けたわね!
二次旋回中にリアブレーキを引きずると「バイクを前に進めようとする力(駆動力)」と「バイクを後ろに引っ張る力(リアブレーキ)」の両方が働き、互いにひっぱりあうような形になるのでバイクはレールに乗っているようにとても安定します。
安定すると同時にリアブレーキによって「前上がり、後ろ下がり」の状態、つまりリア荷重が大きくなるので更にタイヤのグリップを増して旋回力を高めることができます。
ただし、リアブレーキをかけると速度は落ちるのであくまでも「安定させてコーナリングしたいとき」に使われるテクニックです。
僕はコーナリングに速さを求めていないので割とリアを引きずって走っています。ブレーキング区間から二次旋回の終わりまで引きずりっぱなしのこともあります。
こんな記事書いておいてアンタは何を求めてるのよ
「きれいに曲がる」「楽しく曲がる」「頭の中のイメージを具現化する」とかそっち方面です。速く走ると転んだときにまた骨折っちゃうんでね!HAHA!
クリッピングポイントを目指す【二次旋回】
二次旋回では走行ラインの中でもっともインに寄るポイントです。自分が走りたいライン上でもっともインに寄るポイントを目指して曲がっていきます。
一般的にクリッピングポイントは「アクセルを開け始めるポイント」とされていますが、これは「コーナーを脱出する立ち上がりのためにアクセルを開け始めるポイント」という理解をしています。
クリッピングポイントを目指してぐいぐい曲がっていきましょう。
二次旋回が僕が最も好きな区間です。
立ち上がり
スロットル | 二次旋回の続きで徐々に開ける |
ブレーキ | 操作なし |
荷重 | シートの後ろ側荷重、場合によって外足ステップ荷重で車体を起こす |
正直内容は薄いですがそれぞれ解説していきます。
スロットルをガバ開けしない【立ち上がり】
バイクはまだ傾いた状態なので排気量の大きなバイクでスロットルをガバ開けするとリアが滑って転倒します。二次旋回の延長のように徐々にスロットルを開けていって、バイクが直立に近くなったら好きなだけ開けましょう。
タイヤのグリップ感と相談しながらだよね
排気量が大きくないバイクだと結構カバ空け気味にできるので楽しいです。
コーナーのアウトを目指す【立ち上がり】
クリップからコーナーのアウトを目指します。クリップからすぐにバイクを起こそうとせずに(それまでと比べたら)浅いバンク角で緩やかにアウトに行きましょう。
コーナーの立ち上がりは二次旋回までの力をリアに移す【立ち上がり】
二次旋回までの力(ブレーキングで前に行ったり二次旋回で後ろに行ったりした力)を完全にリアに移してリアに荷重をかけ、タイヤのグリップ力を引き出して華麗に立ち上がっていきましょう。
早く車体を起こしたい場合はステップ荷重
バンクをやめて早くバイクを起こしたいときは外足のステップを踏みこんでステップ荷重をかけると早く車体を起こすことができます。その際はシート荷重を抜いて行うとクイックに起きてくれます。次のコーナーが目前に迫っているときはブレーキレバーを引いて車体を起こし、そのまま次のブレーキング区間に入ることもあります。
速さを求めていない僕は正直、二次旋回と立ち上がりの前半で大満足しているので立ち上がりに関しては少々勉強不足です。
オコモトは二次旋回と立ち上がりの境界が曖昧な男だよ。
いつもリアタイヤ荷重を感じてうっとりしている間に立ち上がりの後半に差し掛かっています!
コーナリング中に曲がりきれないと感じたときの対処方法
バイクがお上手な某おじいちゃんは「曲がりきれないと思ったらもっとバイクを寝かせればいいんだヨ」と真面目にライテクを語っていましたが
それができねーから曲がりきれね-んだろーがよ!その状態は「曲がれてる」って言うんだよ!ダボが!
ということで、安全のためにコーナリング中に曲がりきれないと感じたときの対処方法について解説します。曲がりきらなくなったときはコーナーを2つに分けるという方法がとても有効です。
つまり、「曲がりきれない」と感じたらフロントブレーキを引いてブレーキ区間からコーナリングをやり直すということです。
となります。
これはきついヘアピンを曲るときにも使えます。
慌ててブレーキをかけるとロックしてしまうからの。コントロールできる速度で走るのええぞ。
ライディングに行き詰まったらタイヤに甘える
もしもあなたが
僕はなんてバイクが下手なんだ。こんなに練習しているのに世界一下手なんだ僕は・・・
とライディングの壁にぶち当たったときはタイヤをハイグリップタイヤに換えて下さい。その壁、一瞬で崩せます。
ハイグリップタイヤを「グリップがすごいタイヤ」と思っている人がいますが、それはハイグリップタイヤの一面に過ぎません。
そもそも公道ではハイグリップタイヤのグリップ力がないと曲がれないようなライディングなんてしませんしできません。
ハイグリップタイヤのすごいところは「ツーリングタイヤとは全然違うラインで曲がれる」という部分にあります。
真面目にバイクの練習をしている方がハイグリップタイヤを履いた瞬間、それまでうまくいかなかったことが弾けるようにうまくいくようになります。
それって「タイヤに乗せられてる」って言うんじゃないの?
僕化粧美人も美人だと認識できる人間なんで問題ないです。
(タイヤに乗せられても楽しけりゃいいってことを言ってるんだと思うよ)
ずっとブレーキレバーを引いていたり、ハンドルこじったり、デタラメな方法で曲がっても結構曲がっていけるよ。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
この記事ではバイクの練習を初めた過去の自分のような方の役に立つようにバイクの曲がり方について解説をしました。
多くの趣味ライダーにとって「バイクの本番」は存在しません。いつもの峠も、ツーリング先のワインディングも常に練習です。ライディングには終わりはありません。
練習だからこそ力を抜いて、リラックスし、マジになりつつマジにならずに改善点を見つけることを楽しみながらヒラリヒラリと楽しんでいきましょう。
くれぐれも安全第一で、人がいるところでは静かに走って、いないところで楽しみましょう。
暴走族の真逆ってこと
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