okoんにちは!okomoto店長のオコモトです!
この記事にたどり着いた方は
という方ではないでしょうか。
まず一言
おめでとうございます!!新しいバイクを安全運転で楽しんでください!!!
(初心者の方はバイクライフでわからないことがあればこのサイトの検索窓で検索してみてね!)
新車のバイクを納車されたときに慣らし運転についてバイク屋さんから説明があったと思うのでその指示に従ってもらえればあなたと愛車のバイクライフはスムーズに始まると思います。
この記事では
新車を買おうと思っているんだけど、慣らし運転ってどんなことをすればいいの?
最近のバイクは慣らし運転不要!!
っていう情報があって誰を信じて良いのかわからない・・・
という方のためにバイクの慣らし運転について解説していきます。
この記事は
という結論に向かって進んでいきます。
バイクの慣らし運転とは?その目的
バイクの慣らし運転とは主にエンジン内部の金属パーツ同士のアタリを出すことで調子が良く、長寿命のエンジンを作ることを目的にしています。
エンジンのアタリとは?
エンジン内部ではさまざまな金属パーツが高速で動き、互いに擦れあって動いたりしています。
新車の状態の金属パーツの表面には見に見えない程の凸凹がありますが、他のパーツを擦れることで金属パーツ同士が擦れる部分がお互い(ピストンリングとシリンダーの壁など)にとって丁度いい凸凹になります。
この「ちょうどいい凸凹になる」ということを「アタリが出る」と言います。
例えるならパーツ同士でものすごい細かいヤスリがけを行うイメージ
アタリが出たエンジンは調子が良く長寿命
アタリがでたエンジンはパーツ同士の動きがスムーズになり、メーカーが理想とするエンジンパワー、燃費、(きれいな)排ガスを出すことができるようになります。つまりバイク本来の性能のエンジンになるということ。
長期的にみるとエンジンオイルが汚れにくく、故障の少ない調子の良いエンジンなのでエンジン自体の寿命も長くなります。
エンジンのアタリを出して調子の良いエンジンを手に入れることが目的なのね!
ハーレーでは「生産工場でバイクの7割を作り、ディーラーが現地の環境に合わせる作業をして9割になり、オーナーが残り1割を仕上げて(慣らし運転やカスタム)1台のハーレーが完成する」と言うこともあるそうです。
おれの愛車はおれが仕上げた!!
一般的に言われているバイクの慣らし運転の方法は2種類
一般的に言われている慣らし運転の方法は大きく2つに分けることができます。
という2つです。それぞれ解説します。
最初の1000kmは回転数を○○rpm未満にしてゆっくり走るバイクの慣らし運転
慣らし運転と言えば多くの方がこの方法を想像する一般的な方法です。多くの国内メーカーが採用している方法です。多く場合距離は1000kmに設定されることが多いようです。
メーカーや車種によっては走行距離に合わせて回転数を段階的に上げていく方法をアナウンスしているところもあります。
慣らし運転を終えたらエンジンオイルを交換します。
削れた金属パーツの細かいカスはエンジンオイルに入るからそれを排出してきれいなオイルで走るんだよ。
走行距離 | エンジン回転数 |
~480km | 5000rpm |
~960km | 6000rpm |
~1280km | 7000rpm |
~1600km | 8000rpm |
○○rpm未満で走ってればいいのね!高速道路使ってロンツー行けば楽勝ね!
というのは間違いです。高速道路では一定の回転数で走り続けることになるのでパーツ同士の擦れ具合に偏りができてしまいます。実際はいろんなギアに入れて、いろんな回転数で満遍なくエンジンを使う必要があります。
エンジンに負荷をかけながら○○rpm未満にしてがっつり走るバイクの慣らし運転
一般的な方法とは真逆の方法でBMW Motorradなどが推奨している方法です。
慣らし運転の場所まで指定して「色なギアで加減速がしやすい」シーンを案内していますね。1名乗車を推奨しているのはエンジンのアタリというよりかはサスペンションのアタリを出すためだと思います。
こちらの方法も慣らし運転が終わったらエンジンオイルを交換します。
慣らし運転をしないと、慣らしに失敗するとどうなるのか
慣らし運転をせずにいきなりレッドゾーンに入れて乱暴な運転をすれば金属パーツ同士が強く擦れて傷がついてしまうかもしれません。
高速道路を一定の速度で走り続けて慣らし運転の走行距離を終えてしまうと金属が擦れる加減や場所が偏ってしまうかもしれません。
といっても直ちにエンジンが壊れてしまうようなことにはなりません。
普通に走ることはできますが、それはメーカーが理想とするエンジンではないということです。
慣らしを行ったエンジンに比べて調子が悪く、故障が多いエンジンになっている可能性が高いということ。また、寿命も短くなっているかもしれませんね。
せっかくの新車だから慣らし運転はしたほうが良さそうだよね。せっかくなら一番いい状態でライディングしたいよ。
らーめんはアツアツで食べたいのと同じですね(うまいこと言えたわぁ)
(例えが下手すぎない・・・?)
慣らし運転は必要ない?バイクの慣らし運転不要論
慣らし運転には2種類あると解説しましたが、慣らし運転は不要という考え方もあります。
その根拠には
ということがあります。
それぞれ解説します。
最近のバイクはパーツ精度が高いから慣らし運転は不要
これはなんだかありそうな理由です。我々ユーザーは専門家ではないですからパーツ精度がどう・・・ということはわからりません。専門家の方に電子顕微鏡を見せられて
こっちが昔のピストンの表面、凸凹があるね。んでこっちが最新のバイク。
すげー!ツルツルしてる!!
となれば慣らしは不要だと思うかもしれません。
実際にみてみなくても専門家が「慣らし不要」といえばそれが真実なのだと思います。
慣らし運転をしなくてもエンジンは壊れないから慣らし運転は不要
上で解説したように長期的にみて寿命は短くなるかもしれませんが、慣らし運転をしなければエンジンが壊れるというものではありません。
ただ、メーカーの理想のエンジンになっていない可能性は非常に高いです。
慣らしなしで15年乗ってるけどエンジンのトラブルはないぜ!
という方がいますが、しっかり慣らしをして、同じ走行距離のエンジンを積んだ同じバイクに乗ったら
え?こんなにスムーズに加速するの?メカノイズってこんなに静かなの?燃費こんなに良いの?
となるかもしれません。「エンジンが壊れていない=慣らし運転不要」はいささか短絡的かと思います。
ずっとヌルくて伸びたらーめんを食べてるのと同じですね!
(らーめんから離れられないレパートリーのなさよ・・・)
エンジンより先に他のパーツがダメになるから意味がないから慣らし運転は不要
エンジンより他のパーツの寿命の方が早く来るから慣らし運転は不要という考え方です。
確かにノントラブルの場合、パーツの中でもっとも寿命が長いのはエンジンなのかもしれません。
しかし、同じバイクに長く乗るライダーやバイクを趣味の相棒と捉えているライダーはゴムパーツがダメになったらゴムパーツを新品に交換し、電装系がダメになったら電装系を交換し、サスペンションがダメになったらオーバーホールを繰り返してバイクと付き合っていきます。
「エンジンより先に他のパーツがダメになるから慣らしは不要」という方はそういった「バイクと付き合っていく」という考えが無いのだと思います。
あ、フロントフォークからオイル漏れた。もうゴミだな。さよなら。
「趣味の相棒」ではなく、「単なる移動手段」「道具」「使い捨てのもの」としてバイクを捉えている方であればこの考え方に従ってバイクを乱暴に扱ってもいいと思います。この記事を読んでくれているあなたはそういった人でないと僕は嬉しいです。
こんな考えの人に乗られるバイクは可哀想ね。
「エンジンは壊れないから」って考えの方がまだ可愛いよ
バイクとの付き合い方は人それぞれじゃから仕方ないんじゃよ
検討の余地がある「最近のバイクはパーツ精度が高いから」というのが本当なのかどうか見ていきましょう。
バイクの専門家が不要と言えばそれが真実・・・と書きました。ではバイクの専門家とは誰のことを際しているのでしょうか。
バイク系のブロガーはただのド素人、峠で膝を擦ってるライダーもただのド素人、プロのレーサーはライディングの専門家、バイク屋さんはメンテナンスや販売の専門家・・・
バイクのエンジンの専門家って誰なの!!!???
バイク作ってる人ですね。
ということで、バイクを作っているバイクメーカーの見解を解説していきます。
バイクの慣らし運転ホンダの見解
適切な慣らし運転を行うと、その後のお車の性能をより良い状態に保つことができます。500kmを走行するまでは急発進、急加速、急ブレーキ、急なシフトダウンを避け、控えめな運転をしてください。
引用元:https://customer.honda.co.jp/faq2/userqa.do?user=customer&faq=faq_motor&id=63305&parent=60152
ホンダは公道を走るバイクの慣らし運転を上のように推奨しています。ちなみに競技用モデルは最初の「25kmは急発進、急加速、急ブレーキ、急なシフトダウンを避け・・・」と案内しています。
競技用はコストをかけて高い精度で作っているのかもね
性能を良い状態に保てるって断言してるわね!
バイクの慣らし運転カワサキの見解
走行距離 | 回転数 |
~200km | 4000rpm |
~350km | 6000rpm |
~1000km | 控えめ |
走行距離 | 回転数 |
~350km | 4000rpm |
~600km | 6000rpm |
~1000km | 控えめ |
最初の1000kmを走行するまでは、下表のエンジン回転数以下でならし運転をしてください。慣らし運転を行うと車の性能を維持し寿命を延ばします。
引用元:https://www.kawasaki-motors.com/after-service/running_in/
また、「不必要な空吹かし、急加速、急減速はつつしんでください」とも記載があります。
寿命を伸ばすって断言してるわね!
zx25rの慣らし運転は特殊
あけましておめでとうございます
— あど (@SingerSongR) December 31, 2021
今年もよろしくお願い致します㊗️#あけおめ2022 #zx25r#バイク好きと繋がりたい pic.twitter.com/eUoAUyCLb8
走行距離 | 回転数 |
~200km | 6000rpm |
~350km | 8000rpm |
~1000km | 控えめ |
ZX-25Rだけ特別扱いなんだね。特殊なバイクだからなぁ。面白いね。
バイクの慣らし運転ヤマハの見解
新車の使い始めには、ならし運転を行ってください。ならし運転の方法は、車種により異なります。詳しくは取扱説明書をご確認ください。
引用元:https://www.yamaha-motor.co.jp/mc/yamaha-motor-life/2016/08/post-508.html
全車共通ではなく車種ごとにアナウンスがあります。実際の取扱説明書には
初回1ヶ月(または1000km走行まで)の走行までは回転数を○○rpm(車種に寄って異なる)以下で走行してください。ならし運転を行うと車の寿命を伸ばします。
という風な記載があります。
説明書によっては慣らし運転の意味についても書かれているよ。内容はこの記事でも説明した「エンジン部品が磨かれる」という趣旨だよ。
寿命が伸びるって断言しているわね!
ヤマハは「1時間ごとにエンジンを停止してね」とか、エンジンの温度管理にも気を使っているよ
バイクの慣らし運転スズキの見解
慣らし運転を行うと、お車の寿命を延ばします。・最初の1000kmを走行するまでは、エンジン回転数4000rpm以下で走行してください。
引用元:https://www1.suzuki.co.jp/motor/files/pdf/Web99011-07J10.pdf
スズキのバイク全体にこの方法を適用させているのか、この車種だけなのかはわかりませんでした。ごめんなさい。ちょっとスズキの新車何台か買ってきます。(いつまでとは言っていない)
他のメーカーと同じように空ぶかし、急加速、急減速、急ハンドル、急ブレーキは避ける旨のアナウンスもされています。
急ハンドル、急ブレーキはタイヤやブレーキ関係の慣らしだね。
やっぱり寿命が伸びるのね!
バイクの慣らし運転は必要か?不要か?
バイクの専門家、エンジンの専門家の考えは
ということがわかりました。ホンダとカワサキは「調子を維持できる」ということにも言及しています。
このことから、少なくとも
という方にとっては慣らし運転は必要ということになります。
「バイクは乗れればいい」「ただの移動手段」「性能とかどうでもいい」「バイクは消耗品」という方にとっては慣らし運転は不要ということだよ
結局バイクの慣らし運転はどうすればいいのか?
具体的にどんなならし方がベストなの?
ここまで解説した「一般的な慣らし方法」「一般的ではない慣らし方法」「各メーカーのなら方法」を考慮すると、最適な慣らし運転は
というのがベストなバイクの慣らし運転だと言うことができます。
かなり良い結論に達したの
「いつもの峠」を持っている方はそこで慣らすのが良さそうですね!
慣らし運転はエンジンのためだけに行うものではない
この記事では一般的に言われる「エンジンの慣らし運転」に焦点をあてて解説しましたが、慣らし運転中に慣らされるパーツはエンジンだけではなりません。
これらのものも慣らし運転中に慣らされていきます。
タイヤ
新品のタイヤは100㎞くらいをかけて「慣らし」と「皮むき」を行う必要があります。詳しくは下の記事を読んでみてください。
サスペンション
ライディングに合わせて動くサスペンションにも「アタリ」が必要です。BMWが「1人でバイクに乗って」とアナウンスしているのもサスペンションに関係していると思います。適切にサスを縮めるような運転をすれば良いと思います。
ボルト
適正トルクで締め付けても、初期走行によってボルトが緩むことがあります。最初の点検で増し締めしてもらいましょう。
ブレーキパッド
激しく摩擦するブレーキパッドとブレーキディスクの間にもアタリが必要です。急ブレーキをせずに普通に乗っていれば問題ないです。
ライダー自身
新しいバイクにライダーが慣れる時間も必要です。個人的には「新しいバイク4000km乗ってもちょっと怪しい説」を持っています。
距離を乗れば乗るほど「想定しない挙動」を見せる機会は減っていきます。
中古バイクも慣らし運転が必要?
中古車を購入したときは見栄えを良くしたり劣化を防ぐためにタイヤにワックスが塗布されていることがあるので「タイヤの皮むき」は必要になります。
ここからは一般的に言われていることではなく僕論なので無視して頂いていいのですが、中古車はしばらく公道を走っていない車両なので、走り始めたときは少々寝ぼけている状態です。
中古車でも最初は回転数を上げすぎずにゆっくり走って、各パーツが起きるのを待った方が良いと思っています。
バイクに対するちょっとした思いやりじゃな。
多分意味はないです。たたき起こされたら気分悪いかなと思って・・・
まとめ
いかがでしたでしょうか。
という記事でした。
バイク慣らし運転の方法、慣らし運転の必要性などを網羅的に解説しました。
せっかく購入し、これから楽しいことを一緒にやっていくバイクなので慣らし運転は必ず行うようにしましょう。
仮に慣らし運転の効果が怪しいものだったとしても、最初のたった1000kmの運転を少し穏やかにすればいいだけだもんね。
常に「可能性」を考えて最善の選択をしていくのが良いバイク乗りだと思います。
慣らし運転なんて意味ないぜ!
という人は「慣らしは効果があるかもしれない運転」をすることがいいということじゃな
「かもしれない運転」は安全運転の基本だよ
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