okoんにちは!okomoto店長のオコモトです!
この記事にたどり着いた方は、
という方ではないでしょうか。キープレフトの原則を誤解し、勘違いしていると知らず知らずの内に周りに迷惑をかけていたり、自分に危険が及んだりします。この記事は、
という4つの結論に向かって進んでいきます。
この記事を読むことで、キープレフトの誤解、勘違いを解消し、安心安全なバイクライフ&原付ライフを送れるようになって頂ければ幸いです。
意味を誤解、勘違いしたバイクや原付のキープレフトの原則の例
- Qバイクや原付の「キープレフト」の意味は?
- A
キープレフトは直訳すると「左側を保つ」、意訳すると「道路の左側を走り続ける」という意味になりますが、文面通り受け取ってはいけません。道路交通法にそのようなことを規定するものは存在しません。
キープレフトとは「左側を保つ」と言う意味なので、一般的なキープレフトの認識として多いと思われるのが上の図のような「バイクや原付は左側を道路の左側を走る」というものではないでしょうか?
これは実際の道路で日常的に見ることができる光景の1つだと思います。人によっては、
原付やバイクだけじゃなく、車もキープレフトが基本だよね!本来は車も左側を走らなきゃいけないんだよね!
という方もいると思います。
原付はキープレフトをしているけど、バイクはたまにキープレフトしていないのが多いわよね!キープレフトを守りなさいよ!
と思っているドライバーの方も少なくないと思います。
実はこれ、キープレフトを誤解、勘違いしているんです。
では、道路交通法ではキープレフトをどのように定義しているのか確認していきましょう。
バイクや原付のキープレフトの原則、道路交通法の記載
実は道路交通法には「キープレフト」という言葉の記載は全くありません。
「道路の左側を走行する」というニュアンスが出てくる3箇所の記載を紹介します。この部分を読み解くことで、キープレフトの誤解・勘違いを解消してみましょう。
条文をイラストに起こしながら解説していきます!あなたの誤解が解けるといいなぁ!
道路交通法第十七条【道路交通法のキープレフトの意味】
車両は、道路(歩道等と車道の区別のある道路においては、車道。以下第九節の二までにおいて同じ。)の中央(軌道が道路の側端に寄つて設けられている場合においては当該道路の軌道敷を除いた部分の中央とし、道路標識等による中央線が設けられているときはその中央線の設けられた道路の部分を中央とする。以下同じ。)から左の部分(以下「左側部分」という。)を通行しなければならない。
引用元:道路交通法第十七条
これは単に「日本は左側通行です」ということを記載しているだけです。「バイクや原付は道路の左端を走りなさい」とは解釈できませんよね?
日本は左側通行です。
道路交通法第十八条【道路交通法のキープレフトの意味】
車両(トロリーバスを除く。)は、車両通行帯の設けられた道路を通行する場合を除き、自動車及び原動機付自転車にあつては道路の左側に寄つて、軽車両にあつては道路の左側端に寄つて、それぞれ当該道路を通行しなければならない。
引用元:道路交通法第十八条
車両通行帯とは、センターラインや車線を区切る線などによって、車両の進行方向ごとに引かれている線で区切られている通行帯という理解でいいかと思います。
この条文は上のイラストのような道路ではなく、両側一車線の狭い道で車がすれ違えるように、見通しの悪いカーブで正面衝突をしないようにするためのものです。
確かに片方に寄っていないと出会いがしらの事故がたくさん起きるわね・・・
狭い道ではちゃんとすれ違えるように、正面衝突しないように左側を走りなさい。
道路交通法第二十条【道路交通法のキープレフトの意味】
車両は、車両通行帯の設けられた道路においては、道路の左側端から数えて一番目の車両通行帯を通行しなければならない。ただし、自動車(小型特殊自動車及び道路標識等によつて指定された自動車を除く。)は、当該道路の左側部分(当該道路が一方通行となつているときは、当該道路)に三以上の車両通行帯が設けられているときは、政令で定めるところにより、その速度に応じ、その最も右側の車両通行帯以外の車両通行帯を通行することができる。
引用元:道路交通法第二十条
これは高速道路の走行車線と追い越し車線がもっともわかりやすいです。少し詳しく書くと、
こんな感じになります。右車線は右折のために使います。
基本は一番左の車線を走りなさい。
道路交通法のキープレフト意味、原則のまとめ
以上のように道路交通法では、
ということしか規定されていません。
最初に出した、誤解&勘違いされた「キープレフトの一般的なイメージ(上の図の状態)」を実現するためには、
二輪以下の自動車及び原動機付自転車にあつては車両通行帯の有無に関わらず、最も左寄りの車線の左側に寄つて、軽車両にあつては道路の左側端に寄つて、それぞれ当該道路を通行しなければならない。
と言うような条文が必要ですが、現行の道路交通法には「原付や二輪が車線の左側を走りなさい」ということは書いていません。
つまり、「キープレフトとは原付や二輪車(あるいは四輪も)が車線の左側を走らなければならないこと」というのは間違いということになります。
キープレフトの誤解と同じように勘違いされがちなものに「バイクは基本ハイビーム走行」があるよね。
仮にハイビーム走行やキープレフトをしなければならないという道路交通法があったとしても自分や周囲の安全のために違反し続けますね僕は。
「バイクはキープレフトだろ!」と言われたときの返し
ですので、道路の真ん中を走行しているときに
バイクは左を走れ!!!
と言われたら
道路交通法にはそのような記載はないです。もしも道路交通法十七、十八、二十条を根拠にそのようにおっしゃっていて、仮にあなたの法解釈が正しとするならば、四輪車もキープレフトをしなければならないということになります。僕が左に寄ったらあなたも左に寄って後ろを走ってくださいね。
と言えば問題ありません。
(逆に揉めそう・・・)
原付が車線上のキープレフトをする理由
- Q原付はどこを走ればいいの?左側?キープレフトしてもいいの?
- A
制限速度が30km/hである原付は「左に寄った方が安全だから」「周りへの配慮」「道路交通法第27条第2項(追いつかれたら譲らなければならない)」ので原付は左側をキープレフト走行した方が安全に走行できます。
とはいえ、公道を走るほとんど全ての原付はキープレフト(車線の左側を走る)をしていますよね。
確かに道の真ん中を走る原付はあまりみないわね
道路交通法で考えると、原付は一番左側の車線しか走ってはいけませんが(十八条の自動車に原付は含まれないため)その車線内の左に寄る必要はないのですがこれは何故なのでしょうか。
それは「左に寄った方が安全だから」「周りへの配慮」「道路交通法第27条第2項」です。
車両(乗合自動車及びトロリーバスを除く。)は、車両通行帯の設けられた道路を通行する場合を除き、最高速度が高い車両に追いつかれ、かつ、道路の中央(当該道路が一方通行となつているときは、当該道路の右側端。以下この項において同じ。)との間にその追いついた車両が通行するのに十分な余地がない場合においては、第十八条第一項の規定にかかわらず、できる限り道路の左側端に寄つてこれに進路を譲らなければならない。
引用元:道路交通法
原付の制限速度は30km/hに定められているので、単純に周りの自動車の流れにのって運転することができません。
道の真ん中を制限速度で走っていては周りの迷惑になりますし、車間を詰められたり無理に追い越させて危険な思いをします。
左に寄って走ればそれらを回避することができます。
30km/hで走っている原付はあまりいないんだけどね。
それはそうなんですが、車の流れに乗って走ることは難しいですからね。
バイクのキープレフトは超危険
- Qキープレフトの効果はなんですか?
- A
キープレフトには「道を譲ってくれている」と勘違いさせてしまうので予期せぬ追い越しをかけられたり、「バイクの右側が空いてるから行く」と思考停止ドライバーが幅寄せ気味に抜かれる効果があります。また、道路の左側にはゴミが溜まりやすいので、パンクしやすくなるという良くない効果があります。
50cc以上のバイクでも誤ったキープレフトの解釈をしているのか、左側を走行する方がいます。この運転はかなり危険でトラブルの元になる場合が多いです。
それぞれ解説します。
キープレフトは道を譲っていると勘違いされる、幅寄せされる
左に寄って走っている状況は後続車から見ると「道を譲るために左に寄っている」と勘違いしやすいです。特にバイクの前にスペースがあるときは尚更です。
ライダーはまったく譲るつもりがないのに急に抜かれるとびっくりします。中には文句の1つでも言いたくなる方もいるでしょう。
また、「譲ってくれている」ということは「抜いたら減速してくれる」「加速はしないだろう」と思わせてしまうので、抜いた直後に幅寄せ気味にされることも多いです。
「また幅寄せされた!」と言う方はこういう運転をしていることがほとんどです。僕は幅寄せをされたとこは1度もありません。
この動画のライダーがフラフラせずに車線の真ん中を走っていれば起きなかったトラブルだよ。バイクで走るときは「後ろからみてどう見えているか」ということを考えた方がいいよ。
キープレフトをしていると「バイク絶対抜くマン」に抜かれるので危険
世の中には「バイクを絶対に抜く!(使命感)」と自らに縛りを設けているようなドライバーがいます。こういった方は少しでもバイクの右側が空いているとわざと幅寄せをしてでも抜きにかかってきます。
こういう車には近づかない方がいいよ。君子危うきに近寄らずだよ。
キープレフトをしていると思考停止ドライバーが抜いてくるので危険
バイク絶対抜くマンではなくても、なにも考えていないドライバーはスペースが空いていれば思考停止で横づけしたり追い抜いたりしていきます。
キープレフトをしていると急に抜いてくるドライバーのほとんどがこれだよ。ピーがピーだから仕方がないんだけど正直ピーしたくなるよね。
キープレフトをしているとパンクしやすいので危険
道路上に落ちた異物はタイヤによって弾かれたり、走行風で押されたりして道路の端の方に移動していきます。通常車が走行しない場所に異物が蓄積されていくので、道路の端を走れば走るほどパンクする可能性は高くなっていきます。
詳しくはこちらの記事を読んでみて下さい。
初心者の身勝手なキープレフトは超迷惑
- Qバイクは何故左側を走っているの?
- A
キープレフトを誤解、勘違いしている初心者の方が身勝手な「自分専用車線」を作っているから。
初心者の方で、
流れに乗らないから!スピード出すの怖いから!制限速度だから!
という理由で原付並みの速度で勝手にキープレフトをして、勝手に自分専用車線を作る方がいます。
原付であれば右に車線変更をすることもないので周りの状況とタイミングを見て抜くことは難しいことではありません。
しかし、バイクは「自動車」なので右に車線変更をする可能性があります。原付とは違って交通の流れに乗れるものなのにゆっくり走っていると逆に危険です。
とくに思考停止で運転していないドライバーからすると
急に右に寄るかも?譲ってくれてるの?道に迷ってる周り見えてる?こっちに気付いてる?抜くに抜けないよ!後ろ詰まっちゃったどうしよう!
と、とても不安になります。
バイクに乗るのであればきちんと周りの速度に合わせて走行しましょう。譲るのであれば車に追いつかれたときに左ウインカーを出して左に寄ればいいです。明確に「お先にどうぞ」と意思表示を出すのが大事です。
制限速度60km/hの道を乗用車が「怖い」という理由で30km/hで走っているのと同じなんだよ。「怖いからゆっくり」は勝手過ぎる。
上手な道の譲り方は下の詳細記事を読んでみてください
バイクは真ん中を走る!!流れに乗っていれば邪魔じゃない(右寄りでもOK)
- Qではバイクは車線のどこを走ればいいですか?真ん中では邪魔じゃないですか?
- A
キープレフトを誤解、勘違いして左側を走るのは危険です。真ん中か少し右側が安全。交通の流れに合わせて走行していれば邪魔にはなりません。もしもそれで「邪魔」と感じるドライバーは「交通の流れに合わせて走っている四輪車も邪魔に感じる」ということになってしまいます。誤解を恐れずに言えば、交通の流れを無視し、チンタラ走っている車両はどんな車両でも等しく邪魔に思われるでしょう。
このような事情から、バイクは車線の真ん中か若干右寄りを走行するのが安全です。
「バイクが車線の真ん中を走っているのが邪魔だ」というドライバーは一定数いますが、交通の流れに乗っていれば問題ありません。
交通の流れに乗っているバイクを「邪魔だ」と感じるドライバーは「前を走る四輪車も邪魔だ」と言っているのと同じなので相手にしたり、気を使ったりするに値しないドライバーなので無視してOKです。
右に寄ったら寄ったで左から抜いてくる思考停止なバイクがいるんですけどね。
車よりもバイクの方が走っている台数が少ないからひやっとする機会で言えば左に寄っていない方が良いのじゃ。
「公道は頭がピーなピーばっかりだ。それから身を守るのは自分の力だ」という気持ちで運転しようという事。
バイクの安全運転の方法についてはこちらの記事を参考にしてみてください。
まとめ
という記事でした。
仮にこの記事の法解釈が間違っていても「左寄りを走ることは危険」ということに変わりはありません。左寄りを走らないと違反で捕まるという世界になれば左を走りますが、「法解釈が間違っているかもしれない」程度であれば左側を走った方が安全かと思います。
コメント
原付も別に端に寄らんで堂々と走ったら良いと思ってる人がほとんどだと思う!
しかし考えてみろ、原付一種の最高速度は30km。普通の幹線道路の制限速度や法定速度は50kmや60kmがほどんどだ。
という事は必然的に後続の車両が追いついてしまう。
そうなると『道路交通法第27条』が絡んでくるので必然的に追いつかれた車両の責任が生じてくるのだよ。
となるとだ、最高速度30kmしか出せない原付は後続の自動車がいる限り道路の左端を走るしか無いんだよね・・・
確かに「周りへの配慮」「むしろ危険だから」という理由以外に道路交通法第27条がありますね!記事に追加しておきます!ありがとうございます!
原付の場合は“第一通行帯の通行義務”により、左車線の左寄りを走る必要があるのではないでしょうか?
okoメントありがとうございます!
原付きは一番左の車線(第一通行帯)を走らなければならないのは大前提として、道路交通法には、
(左側寄り通行等)
第十八条 車両(トロリーバスを除く。)は、車両通行帯の設けられた道路を通行する場合を除き、自動車及び一般原動機付自転車(原動機付自転車のうち第二条第一項第十号イに該当するものをいう。以下同じ。)にあつては道路の左側に寄つて、特定小型原動機付自転車及び軽車両(以下「特定小型原動機付自転車等」という。)にあつては道路の左側端に寄つて、それぞれ当該道路を通行しなければならない。https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=335AC0000000105
とあります。上の文を言い換えると「白線などで区切られた道路を通るとき以外は、トローリーバス以外の車両は左側を走りなさいよ」になるかと思います。今回の論点(左寄りに走らなければならないのかどうか)に照らし合わせると「白線などで区切られた道路を通るときのことは特に書いていないよ」となるかと思います。
左車線の左寄りを走る必要があるかないかでいうと個人的には「(速度差で危ないから)ある」ですが、それは道路交通法や第一通行帯の通行義務を根拠にしたものではないです。
ちなみに道路交通法に「左寄り」という文言は0で、「左側寄り」は2つしか登場しませんので調べやすいかもです。僕は法律の専門家ではないので解釈が間違っている可能性もありますが、道路交通法を読む限りはこの返信の内容になります。もしも原付きの左寄り(左側寄り)走行を規定する文言を見落としていたなら申し訳ないです。
とはいえ、僕も50ccの原付き乗るときは左寄り走るんですけどね 笑