okoんにちは!okomoto店長のオコモトです!
この記事は、
という方に向けた記事です。
青白い光がかっこいいからLED化したいよ!(見た目目的)
という方向けの記事ではありませんので予めご了承ください。
この記事は昔ビッグスクーターに乗っていたときにカスタム目的でHIDを入れていた僕が、
ヘッドライトの明るさは本当に必要でしょうか?あなたが満足する明るさのヘッドライトは存在しないかも知れません。
ということを伝えるための記事です。
ということについて解説していきます。
まずは普通にHIDやLEDヘッドライトの魅力を解説します。
バイクのHID化のメリット、デメリット
まずはHID化のメリット・デメリットを解説します。
バイクのヘッドライトをHID化するメリット
ハロゲンランプの寿命は800時間、それに対してHIDは4000時間とも言われています。単純に5倍。ハロゲンランプのフィラメントが切れて交換になるのは数年に1度くらいなものなのでHIDに交換したら恐らく寿命を迎える前にバイク自体の寿命が来ていると思います。
少ない消費電力でハロゲンの3倍の明るさを出せます。暖色系や白っぽい光までさまざまな種類の光がありますが、特にはっきりした青白い光が人気です。
バイクのヘッドライトをHID化するデメリット
大した問題ではありませんが、HIDは点灯してから最大の光量に達するまで5から10秒かかり、それが安定するまで30秒程度かかります。エンジン始動から5秒後に真っ暗闇に突入することはないと思うので問題になりませんが・・・。
HIDはとても明るいので光軸調整がきちんとできていないと対向車にとってはとても迷惑になります。
前を走っている車が「ハイビームで煽られている」と感じてトラブルに発展することもあります。
虫は紫外線を目指す習性がありますが、HIDはハロゲンよりも多くの紫外線を出すので虫が集まりやすくなり、高速走行時にバイクが虫だらけ・・・ということが起きやすくなります。
HID本体とは別にバラストという比較的大きなパーツを付けなければならないので設置場所の確保が難しいです。
バイクのLEDヘッドライトのメリット、デメリット
続いてLED化のメリット・デメリットを解説します。
バイクのヘッドライトをLED化するメリット
ハロゲンランプの寿命は800時間、それに対してHIDは4000時間、LEDヘッドライトのは30000時間とも言われています。単純にハロゲンの37.5倍。逆に恐縮してしまいます。
HIDとは違って点灯後すぐに最大光量に達しますし消費電力はHIDよりも少ないです。
LEDは虫を集める紫外線が少ないのでバイクを虫の汚れからまもることができます。
バラストのようなパーツは必要ないのでHIDよりは設置が容易ですが、LEDは球を冷やすために本体の奥行きが長くなっているのでヘッドライトの中に納まるサイズのものを選ぶ必要があります。
LEDならではの真っ白な光が特に人気です。
バイクのヘッドライトをLED化するデメリット
LEDには赤外線が少ないので明るさ自体はとても明るいですが、人によっては暗く感じることがあります。これと同じように明らかに明るいにも関わらず「暗い」という理由で車検に通らないことが結構あるそうです。恐らく測定時の赤外線の量が関係していたりするのかもしれません。
先述の通り、奥行きが必要なのでヘッドライト内に収まるサイズのLEDランプを慎重に探す必要があります。
ハロゲンやHIDとは違いLEDは発熱しません。雪を解かせないのでヘッドライトに雪が積もってしまうというデメリットがあります。バイクで雪の中走行する方は稀ですのでこれはバイクのデメリットにはならないと思います。
バイクのHID化・LED化の車検が通らない?
車検の審査基準はハロゲンランプを基準に設定されているので、ハロゲンランプで車検に通らない場合は光軸をきちんと調整すればほとんどの場合車検には通ります。
しかし、HIDやLEDの場合は光軸とは違い、簡単な調整で合格できるものではありません。特にLED化で起きやすいのが「カットオフラインが出ない」という問題。
カットオフラインとは、ロービーム時に光をカットする上方のラインのことで、純正ハロゲンランプでは右下がりのラインがでるように設定されています(日本は左側通行なので対向車を強く照らさないようにするため)。
ハロゲンに比べて特にLEDは指向性が強い(光がまっすぐ進む)という特徴があったり、LED化によって光源の位置がズレたり、もともと広範囲を照らすハロゲンランプを想定して設計されているリフレクターとの矛盾が生じることによってカットオフラインがなくなってしまったり、ぼやけてしまったりしてしまいます。
ハロゲンランプ前提で設計されているヘッドライトをLED化するとさまざまな矛盾が起きて車検合格に必要なカットオフラインを失ってしまうのね…。
「車検適合品」として販売されているものでも落ちることがあったり、検査官によって変わることもあるらしいです。
HIDとLEDの車検は少し心配な要素ではありますね。
車検のたびにハロゲンに戻すライダーも多くいるらしいですよ…
あなたが満足する明るさのバイクのヘッドライトは存在しない
ここからこの記事でもっともお伝えしたい内容です。
最初に書いたように
青白い光がかっこいいからカスタムしたいよ!
と言う方はここからは読む必要はありません。
ヘッドライトを明るくしたいからHID化・LED化したい!
という方に向けた内容です。
あなたは恐らくHIDかLEDのヘッドライトがついている車にも乗っているのではないでしょうか?
車のHIDかLEDのヘッドライトはバイクのハロゲンランプと比べると驚くほど明るく、広い範囲を照らしてくれます。
バイクのヘッドライトもこれくらいにしたいなぁ
と思いますよね。
しかし、それは不可能だと思います。HIDかLEDにして多少明るくなることはあっても照射範囲は変わりません。
車のヘッドライトがとても明るいのは、バイクと比べて巨大なヘッドライトを2つ、広い間隔を開けて搭載しているからです。
バイクのヘッドライトをHIDかLEDにしたからと言って劇的に明るくなるわけではありません。もしもそうなったとしたら車検には通りませんし、トラブルが多発すると思います。
あなたがもしも「車並みにヘッドライトを明るくしたい」と思っているのであれば、それは叶わないでしょう。
「ヘッドライトが暗い」という不満を持つ方が多いですが、それはバイクなので仕方がありません。車のヘッドライト並に明るいバイクのヘッドライトは青い鳥です。
これに近いのが「風が流れるようなベンチレーション」をもつヘルメットです。青い鳥です。
バイクに明るいヘッドライトが必要な局面とは?
そもそも明るいヘッドライトが欲しい局面というのが僕にはピンと来ません。
街乗りしていれば街灯や周りの車のライトで暗くて前方が見づらいという局面はないですし、ツーリング中に街灯がない山道はそもそも野生動物がたくさんいてとても危険なので走るべきではありません。
そう考えると「明るいヘッドライトが必要な局面」というのはないような気がします。
日が落ちたビーナスラインは鹿しかいません。
夜の奥多摩で鹿に突っ込んでバイク廃車にした人もいたね・・・
県道の1コーナー目の真ん中にでタヌキがいて国道に引き返したこともありますね。
どんな目的で明るいヘッドライトが欲しいのか、ただなんとなく青い鳥を追いかけているだけではないのかを考えて見たほうがいいと思います。
バイクのヘッドライトをHIDかLEDにしても「明るくする」という目的であればコスパは低いと思う
ヘッドライトバルブの球切れはそうそう起こるものではないですし、起こったとしても結構気軽に変えることができるものです。ショップにお願いしても数千円で済みます。
消費電力が押さえられたからと言ってもバイクは発電機(オルタネーター)を積んでいるのであまりメリットは感じられません。
HIDやLEDの導入コストは結構しますし、故障してしまうとハロゲンランプのように気軽に安く交換・・・ということにはなりません。
車検に通らなければ余計なコストが増えていきます。
正直さまざまなネット記事でHIDやLEDとハロゲンランプのビフォー・アフターの写真をみても「コストを上回る劇的な変化」があるとは思えませんし、僕がHIDに変更したときも正直「明るい感じはするけど正直こんなもんか・・・」という感想でした。
ですので「ヘッドライトを明るくしたい」「夜間走行の視認性を高めたい」という動機であればコスパは低いと思います。
誤解してほしくないのは、明るいヘッドライトの安全性などのメリットやヘッドライトのカスタムやドレスアップを否定しているのではなく、「HIDやLED導入コストと結果(車並の明るさを期待している場合)のギャップ」についての話ということです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「ヘッドライトが暗い」という不満からHIDやLEDに変更しても、もしかしたら満足の行くヘッドライトは手に入らないかも知れません。
少なくとも僕はヘッドライトは「前方を照らすものというよりは周りの車両から認識してもらうもの」と考えています。こう考えればあなたのヘッドライトに不満を感じることはなくなると思います。
購入しようとしているバイクのレビューに「ヘッドライトが暗いのがマイナス」などと書いてあっても気にすることはありません。そのレビューを投稿した人は青い鳥を追いかけているだかと思います。
もちろんカスタムが目的、ドレスアップ目的であればおすすめできるものですが、明るさを求めて行うのはおすすめしませんよという記事でした。
何回も言いますがHIDがやLEDを否定しているわけではないですよ!
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