
okoんにちは!okomoto店長のオコモトです!
この記事にたどり着いた方は
という方ではないでしょうか。
バイク事故の死亡原因の約半数が頭部へのダメージです。その命を左右するダメージからライダーを守ってくれるのがヘルメットです。
ヘルメットをかぶらなければ公道を走ってはいけませんし、バイクを趣味にするライダーたるものそれなりの規格に通ったそれなりの価格のヘルメットを被りたいものですよね。
しかし、一般的に言われているヘルメットの寿命は短く、
ということになっているので

いいヘルメット買っても最長で3年・・・明日落としたら1日だもんなぁ・・・
と思ってしまうかも知れません。
そんなあなたのためにこの記事では
ということについて解説していきます。
この記事は
という流れで解説していきます。
ヘルメットの寿命、交換時期、耐用年数が3年と言われる理由

結論から言うと3年の根拠はSGマークです。
アライヘルメットの寿命、交換時期、耐用年数が3年のアナウンス

SNELL規格以上に厳しい自社基準「アライ規格」を擁するアライのアナウンスは下記の引用の通り。
アライヘルメットでは、SGマーク(製品安全協会の被害者救済制度)の有効期限(ヘルメット着用開始から3年)を目安に、お買い替えをお勧めしています。
引用元:https://www.arai.co.jp/jpn/faq/fq_top.htm#q2
ショウエイヘルメットの寿命、交換時期、耐用年数が3年のアナウンス

アライと双璧をなすショウエイのアナウンスは下記の引用の通り。
SGマークではその有効期間を「購入後3年」と定めています。弊社では、正常に使用して異常が認められなくても、使用後3年以内を目安として交換することをお勧めします。
引用元:https://www.shoei.com/support/howtouse/
OGKカブトの寿命、交換時期、耐用年数が3年のアナウンス
アライ、ショウエイを怒涛の勢いで販売シェアを追走しているときにまさかの大転倒をしてしまったOGKカブトのアナウンスは下記の通り。
製品安全協会とJHMA(日本ヘルメット工業会)により、ヘルメットの有効期間を「購入後三年間」と定めています。
引用元:https://www.ogkkabuto.co.jp/motorcycle/maintenance/maintenance.html
※製品安全協会とはSG規格を定めているところです。
ではSGマークとはどんなものなのでしょうか?
ヘルメットの寿命、交換時期、耐用年数を決めているSGマークとは?

SGマークとは「一般財団法人 製品安全協会」という組織が認定した消費生活用品に貼られるマークで「Safety Goods」を略してSGマークと呼ばれています。
ヘルメットに限らず、乳幼児製品や福祉用品など様々な製品に貼られています。
このマークがついている商品が原因で事故が起きた場合、最高1億円の損害賠償が支払われます。3年を超えると最高1億円の損害賠償が受けられなくなります。
SGマークは国内で販売するときに安全性をアピールすることができるので、国内メーカーが生産し、国内販売されるヘルメットには必ずと言っていいほどついているマークです。
SGマークは日本の規格なので海外から輸入されるヘルメットには基本的についていません。

一般財団法人が定める日本の安全規格。損害賠償の有効期限は購入から3年。
「3年」は「SGマークの保証が切れる期限」であり、寿命、交換時期、耐用年数というわけではない

「3年」は「SGマークの保証が切れる期限」、寿命、交換時期、耐用年数というわけではないということがわかりましたが、ここで

SGマークの保証が切れることを根拠にヘルメットを買い替えますか?
という問いです。
この問いの答えを導き出すには
ということが判断材料になります。
損害賠償を受けられるのは「マークがついている商品が原因で事故が起きた場合」です。
例えば
という場合は恐らく損害賠償は受けられないと思います。何故ならば事故の原因は濡れたマンホールであってヘルメットではないからです。
という場合には損害賠償は受けられると思います。事故原因がヘルメットだからです。
しかし「最大1億円」なので、実際に受け取れるのはもしかしたら1万円かもしれません。

僕は弁護士ではないので鵜呑みにしないでくださいね。あくまでも文面通り受け取って常識的に判断した場合です。1万円は極端な例えです。
なにが言いたいのかと言うとSGマークで保証されてる損害賠償を受けられるケースはかなりのレアケースだと思いますということです。
そもそも保険とは違って「万一のときは保証するから安心してね」ではなく、「この製品は万一が起きないから大丈夫!SGマークマークのお墨付き!だから安心して買ってね!」という制度なのでそもそも万一が起きる可能性が非常に低いと思います。

ネットで調べても1億円もらった人は見つかりませんでしたし、僕の周りにもSGマークで家が建ったという人はいません。
極々低い可能性を考えてヘルメットを買い換えるか、目先の費用を考えて買い換えないかはそれぞれの価値観で変わってくるのかなと思います。

メーカーが推奨しているんじゃから買い換えるのが筋じゃよ。
ヘルメットの寿命、交換時期、耐用年数が3年以上だと言う理由

ではSG規格の保証期間を考えない場合の「ヘルメットのヘルメットとしての寿命」はどれくらいかというと5年です。
SGマークは日本だけの安全規格なので、海外で販売されているアライやショウエイのヘルメットは「5年で買い替え」のアナウンスがされています。

他のメーカーもだいたい同じだよ。
何故5年なのか?ヘルメットのどこの部分に寿命が来るのか

ヘルメットは大きく
という3つのパーツでできています。
この中で一番劣化が遅いと思うものはなんでしょうか?みなさん硬いシェルだと思うのではないでしょうか?

調べてみたら意外とシェルの寿命が5年でした・・・
バイクヘルメットの多くはプラスチックにガラス繊維や炭素繊維を混ぜて強度を増している強化プラスチックのFPR(Fiber Reinforced Plastics)を素材としています。
日本ヘルメット工業会(JHMA)は産業用のヘルメットの耐用年数として
FRP等の熱硬化性樹脂製保護帽は、外観に異常が認められなくても使用開始より5年以内に交換をしていただくようお願いしています。
引用元:http://japan-helmet.com/faq/index.html#Q1
これは産業用のヘルメットに対しての文章ですが、シェルの素材が同じバイク用のヘルメットに関しても「FPRという素材の、頭を守る機能の劣化」として裏付けになるものだと考えます。
SGマークを気にしない方はシェルの寿命を迎える5年ごとにヘルメットを買い替えるのがおすすめです。
ヘルメットの寿命、交換時期、耐用年数を長くする方法

とはいえ、ヘルメットを乱暴に扱っていると5年を待たずに頭を守る機能は劣化していきます。
なるべくその機能を損なわないようにするために
という3つのことを行えば劣化のスピードを遅くすることができます。逆にこられを行わないと劣化のスピードは速くなります。
それぞれ解説します。
高温状態を避ける
以下OGKからの引用です。
ヘルメットの部品等にはプラスチック材質(熱可塑性樹脂)が多く使われています。プラスチックは、熱にはとっても弱いため、保管やメンテナンスにも気をつけなければなりません。ヘルメットに熱を与えると、ヘルメットのあらゆる材質が変質してしまい、ヘルメットの性能が発揮されなくなります。
引用元:https://www.ogkkabuto.co.jp/motorcycle/maintenance/maintenance.html
ヘルメットの材質が変質してしまうと元の状態には戻らないので高温環境に置かないようにしましょう。
OGKは「50度以上の環境には置かないこと」とアナウンスしています。

ファー!!50度なんて気温でツーリング行かないし!そもそもそんな気温にならないし!
と思うかもしれませんが、ヘルメットを洗った後にドライヤーを使ったり、浴室乾燥などをするとヘルメット50度以上の環境になってしまうことがあるかもしれません。
真夏の直射日光の温度は50度を余裕で超えてきます。黒いヘルメットで日光を吸収すればもっと高温になるでしょう。
ヘルメットを洗った後は必ず陰干しするようにしましょう。

乾燥機使わないと明日のツーリングに間に合わない!

そのツーリングは行けないという事じゃな・・・
保管時はグローブを入れっぱなしにしない
ヘルメットを被った後、自宅で保管するときにヘルメットの中にグローブを入れたままにする方は要注意です。
内装の中に染み込んだ汗や湿気が外にでられなくなり、雑菌が繁殖したりカビの温床になってしまいヘルメットの劣化を早めてしまいます。
ヘルメットだけでなく、グローブにも悪影響が大きいので、ヘルメットの中にグローブを入れっぱなしにせず、シールドをあけて通気性の良い状態にしておきましょう。
汚れたら洗う
基本的な話ですが、ヘルメットは汚れたら洗いましょう。
雑菌が繁殖してしまう内装はもちろん、シェルもきれいに保つことに越したことはありません。
特に夏場はツーリングに行ったら洗うくらいの気持ちでヘルメットを常に爽やかに保ちましょう。

僕は夏ツーリングの度に洗っています。簡単な洗い方は下の記事で解説しています。
と、年数に関しては答えがでたので、次は「ヘルメットに衝撃を与えてしまった場合」について解説していきます。
ヘルメットを落としたら寿命、交換時期と言われる理由

これはほとんど通説です。
衝撃吸収材である発泡スチロールは一度凹んでしまうと元に戻らないので、一度衝撃を与えると次の衝撃は吸収できないという理論です。
実際僕ももっともらしい>>こういった記事の影響で、長いこと

ヘルメットを落としたら即交換だ~あわわわ~
と思って過ごしてきました。
ヘルメットを落としても寿命、交換時期ではないと言う理由

しかし、国内一流ヘルメットメーカーのアライは
オートバイのシートから、または、手に持っていた程度の高さから、不注意で落としたくらいでは、たとえ地面がコンクリートであっても大丈夫です。外観の塗装がはがれる程度なら、安全性能に問題はありません。
引用元:https://www.arai.co.jp/jpn/faq/fq_top.htm#q2
とアナウンスしています。
引用元:https://www.ogkkabuto.co.jp/motorcycle/maintenance/maintenance.html
上の図のように衝撃吸収ライナーが凹むのはほとんどの場合「ヘルメットに頭が入っている場合」です。シェルと頭に挟まれて潰れます。
ヘルメットを落としただけの場合は衝撃は内装側に抜けていくのでほとんどの場合問題ありません。

転倒して頭を打った場合はアウトってことね!

それ以外の局面ならだいたい大丈夫かと思います。心配であれば落としたときの状況をメーカーに伝えて問い合わせれば判断してくれます。
とは言え、ヘルメットを大切に扱うことはとても大事なことですし、何度も落としたり落とした場所が悪かったりすると内装は凹んでしまうかもしれないのでヘルメットを落とす可能性を少しでも減らす方法を解説します。
ヘルメットを落とす可能性を減らす方法

それぞれ解説します。
持ち歩くときは教習所持ちをする~ヘルメットを落とす可能性を減らす方法~

教習所では

あご紐を持ったりしないで脇に抱えるようにもつこと
と教わったと思います。
脇に抱えるとヘルメットを落としにくいだけでなく、壁に当ててしまうことも防ぐことができます。
休憩中はヘルメットホルダーにかけるか地面に置く~ヘルメットを落とす可能性を減らす方法~

ミラーやタンクの上に置いておくとヘルメットはちょっとした衝撃で落ちてしまいます。
人がぶつかることも頻繁にありますし、風や地震でバイクが揺れることもあります。普段からヘルメットホルダーを使うようにし、ヘルメットホルダーがない方は後付けのホルダーを付けるようにしましょう。
ヘルメットを落とさないために最初から落としておく・・・というのも有効な方法です。

詳しくは下の詳細記事を読んでみてください
座るときは安定したところに置く~ヘルメットを落とす可能性を減らす方法~
椅子に座って休憩するときなどはヘルメットを安定したところに置くようにしましょう。置き場所がなければ地面に置いてもいいともいます。
僕はヘルメットをイスに置いて自分は立つようにしています。嘘です。
参考:9年使ったヘルメットの内装の比較

この記事では「シェル」「衝撃吸収ライナー(発泡スチロール)」の劣化についてしか触れてこなかったので、最後に9年間がっつり使ったヘルメットの内装がどれくらいヘタっているものなのか、新しい内装との比較画像を載せておきます。

色は変わっていますが内装の形自体は「顔の形に沿っているんだな」程度です。

発泡スチロールは模様が浮き上がって少し乾燥しているようなイメージ?

いくら洗っていても色は汚いですね。一段目の色は白いものに色がついたわけではないと思いたいです。メーカーの仕様変更だと思いたい・・・。

5年で使えなくなるっていうのに信じられないアホもいたもんよね!!!

ほほほ本当ですよ!法律で決まっていないとはいえ、自己責任とはいえ9年はひひっひひどいですよね!!!非常識!!!

(・・・あ)

(・・・あ)

(・・・やってんなあいつ)

このデザインもう売ってないんだとか言っておるちょんまげがいたのぅ・・・
内装は「頭の形に馴染んでいる」という程度でボロボロになっていたりといった目に見える劣化は起きていないようでした。
発泡スチロールは形は保っていましたが、なんとなく固めにはなっているような見た目です。これがどの程度衝撃吸収に悪い影響を及ぼすのかはわかりません。
3年を過ぎた、5年を過ぎた、9年を過ぎたということでヘルメットの性能が命に関わるほど劣化するものであれば道路交通法で「購入から10年を過ぎたヘルメットを着用した場合はノーヘルと同じです」という風になるのかなと思います。
メーカーのアナウンスである3年を超えた時点で自己責任の範疇になるのだと思います。
まとめ

いかがでしたでしょうか。
長々と書いてしまいましたが、
こんな感じのまとめでいかがでしょうか。
そもそもバイクに乗ること自体が自己責任、生きているだけで自己責任なのでどこでヘルメットを買い替えるかも自己責任です。
日本でバイクを楽しむのであれば3年を目安にヘルメットを買い替えた方が無難かと思います。誰にも迷惑はかけないので僕のヘルメットは10年目の大台に入ります。
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