okoんにちは!okomoto店長のオコモトです!
この記事にたどり着いた方は、
という方ではないでしょうか。
この記事では、
ということを解説していきます。
倒立フォークと正立フォークの違い一覧
時間がない方のために先に倒立フォークと正立フォークの違いを一覧この表を見ればその先を読む必要はないです。倒立フォークと正立フォークの違い一覧です。
倒立フォーク | 正立フォーク | |
アウターチューブ | 上 | 下 |
インナーチューブ | 下 | 上 |
重心 | 高 | 低 |
強度 | 高 | 低 |
フリクション | 低 | 高 |
バネ下重量 | 下 | 上 |
走行性能 | 高 | 低 |
メンテナンス性 | 低 | 高 |
ねじれ剛性 | 高 | 低 |
ストローク | 大 | 小 |
重量 | 重 | 軽 |
オイル容量 | 多 | 少 |
取り回し | 重 | 軽 |
旋回性 | 低 | 高 |
タイヤの路面追従性 | 高 | 低 |
乗り心地 | 固 | 柔 |
オイル漏れ | 垂れやすい 気づきやすい | 垂れにくい 気づきにくい |
事故ダメージが フレームに及ぶ可能性 | 高 | 低 |
インナーチューブに 傷がつき | やすい | にくい |
製造コスト | 高 | 安 |
OH費用 | 高 | 安 |
高い、低いなどはあくまでも両者を比べて「いやまぁ・・・そんなに差はないんだけど、強いてどっちかと言えば・・・」という感じです。我々のような趣味ルンルンライダーの認識としては、
こんな感じの認識で良いかと思います。
フロントフォークの仕組み
倒立正立の話の前にもろもろの理解をしやすくするために、フロントフォークのだいたいの仕組みを解説します。上のイラストは倒立フォークのものです。正立フォークはこのイラストを真逆に下感じになります。
インナーチューブとアウターチューブの中にオイル(フォークオイル)とバネ(フォークスプリング)が入っています。
オイルはバネが伸び縮みするときに滑らかに動けるため(セッティングで滑らかに動かないようにもできる)に入っていると考えてください。
そのオイルが漏れないようについているのが「オイルシール」。アウターチューブからオイルが漏れないように蓋をしています。
オイルシールにゴミ(ダスト)とかつかないようにするためについているのが「ダストシール」ゴミや異物が当たってオイルシールを傷めるとオイル漏れの原因になります。
だいたいこんな感じ。
倒立フォークとは?
倒立フォークはアウターチューブが上でインナーチューブが下にあります。
サスが縮むときはインナーチューブをアウターチューブが飲み込みような感じになります。
アウトのチューブにインしていくのでアウターチューブとインナーチューブです。
正立フォークとは?
正立フォークはアウターチューブが下でインナーチューブが上にあります。
さすが縮むときはアウターチューブの中にインナーチューブが入っていく感じになります。
あたしでもすぐに見分けられるわ!
倒立フォークのメリット
まずは倒立フォーク、倒立サスのメリットを解説していきます。
剛性が高い
フロントフォークはハンドル近くのトップブリッジと、ヘッドライト辺りにあるステアリングステムによってバイクに取り付けられています。
倒立フォークの場合フロントフォーク、ステアリングステム、左右のフロントフォークを結んで四角を作ったときに、柱になる部分に太いアウターチューブがくるので高い負荷やねじれに強くなります。
これを「剛性が高い」と言います。
太い柱で支えられているのね!
バネ下重量が軽い
バネ下重量とは、サスペンションより下のパーツの重量のことで、この重量が軽いほどサスの動きは軽快になります。サスの動きが軽々になるということはバイク自体の挙動も軽くなり、路面追従性も高くなります。
車の世界では「バネ下重量1kgの軽量化はバネ上10kgに相当する」とも言われるくらいバネの上と下ではパーツの重さの意味が変わってきます。
倒立フォークは重いアウターチューブやアウターチューブに入っているオイルがサスペンションより上にくるのでバネ下重量が軽くなります。
路面追従性は高速域やゴリゴリコーナリング擦るときに特に重要になってきます。
レーシーでかっこいい
我々のような
バイク趣味楽しいです。ウフフ。
という「ウフフ系ライダー」には
倒立って高性能らしいよ!レーシーでなんかかっこいいよね!
と感じるのが最大のメリットかなと思います。
バイクに乗っていない人が「あのバイクのあのパーツかっこいい!」なんて言わないからかなり限定的な「かっこいい」ではあるけどね・・・
倒立フォークのデメリット
倒立フォーク、倒立サスのデメリットについて解説します。
全体の重量が重い
アウターチューブが長いのでフォークオイルを多く保持できる分、重量が重くなってしまいます。
重心が高い
重いアウターチューブが上にあるので重心が高く、取り回しや旋回性の動きが重くなります。
倒立フォークのオイル漏れは直ちに影響がある
フォークオイルが上にあるので、オイルシールが破損するとすぐにオイルが漏れ出すのでただちに影響があります。
気が付かないでいると、キャリパーに付着してブレーキが効かなくなったり、タイヤに付着して転倒してしまいます。
万物は上から下に落ちるからね・・・
フレームを守らない
事故を起こしたときに、剛性が高い倒立サスは「折れたり曲がったりして衝撃を吸収する」ことができません。
衝撃はフレームにダイレクトに伝わり、その結果フレームが歪んだり擦る可能性があります。
フレームが歪んだら修理はできないので廃車ということになります。
関節曲げずに手をついてビーーーーン!みたいな?
飛び石などのダメージが大きい
インナーチューブが下に、ダストシールが下向きについているのでそれぞれに飛び石が当たりやすいです。
アウターチューブであれば「傷がついてちょっと悲しい・・・」程度で済みますが、インナーチューブの傷が原因でオイルシールを傷つけたり、錆の原因になります。インナーチューブが錆びればそれが原因でオイルシールを傷つけてしまいます。
ダストシールが傷つけばゴミからオイルシールを守れなくなってしまいます。
しかも漏れたら直ちに影響あるからね・・・
メンテナンス性が悪い
OHには特殊工具が必要だったりするので素人では作業が難しく、ショップにお願いしても工賃が高いです。
メンテナンスに魅力に感じる才能がある人は自分でやるよ。すごいよね
正立フォークのメリット
正立フォーク、正立サスのメリットを解説していきます。
ぶっちゃけ、ほとんど倒立のメリット・デメリットをひっくり返しただけなんですけどね・・・
全体の重量が軽い
アウターチューブが短いのでフォークオイルは多く保持できませんが、重量を軽くすることができます。
重心が低い
重いアウターチューブが下にあるので重心が低く、取り回しや旋回性の動きが軽くなります。
乗り心地がソフト
バネ下重量が思いので路面追従性が低い正立フォークですが、その分路面からの入力が減るので乗り心地はマイルドになります。
これはクルーザーなどのバイクではむしろメリットになります。
正立フォークのオイル漏れはただちに影響がない
オイルシールが破損してフォークオイルが漏れても、オイルは下にあるので急に外部に漏れ出してくることはありません。オイルは落ちてきません。
okomoto
ただそこにりんごがあるだけだ・・りんごが・・・
フレームを守る
事故を起こしたときに、剛性が低い正立サスはインナーチューブが折れたり曲がったりすることでフレームに届く前に衝撃を逃します。
フレームに衝撃が伝わって、フレームが曲がってしまえば廃車ですが、インナーチューブであれば交換できるので骨折程度の怪我で済ませることができます。
デメリットがメリットだったりするわけね。
解釈次第で世界はいくらでも良い方に向かいます。知らんけど。
飛び石などのダメージが少ない
インナーチューブが上に、ダストシールが上向きについているのでそれぞれに飛び石が当たりにくいです。アウターチューブが少し傷つくくらいなので「傷がついてちょっと悲しい・・・」程度で済みます。
メンテナンス性がいい
倒立フォークよりもメンテナンス性がよく、バイクショップにOHを依頼しても倒立ほど費用がかかりません。
正立フォークのデメリット
正立フォーク、正立サスデメリットについて解説します。
剛性が低い
正立フォークの場合フロントフォーク、ステアリングステム、左右のフロントフォークを結んで四角を作ったときに、柱になる部分に細いインナーチューブがくるので倒立フォークと比べると負荷やねじれに弱くなります。
バネ下重量が重い
正立フォークは重いアウターチューブやアウターチューブに入っているオイルがサスペンションより下にくるのでバネ下重量が重くなり、サスの動きが動きが重くなり、路面追従性が下がります。
先述の通り、これは考え方によってはメリットですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
一覧を貼ってサラッと終わるつもりでしたが、イタリアンローストのアイスコーヒーが美味しかったのでついつい画像編集に熱が入って少々長い記事になってしまいました。
強引にまとめると、
という感じです。
排気量の大きなバイクでは高い剛性が求められるので倒立は一般的ですが、徐々に小排気量バイクにも「倒立って高性能らしいよ!レーシーでなんかかっこいいよね!」ということで倒立が増えてきています。
小排気量のバイクに倒立がついていたら
これ倒立履いてるんすね!かっこいいですね!
などというと世界が平和になるかと思います。
ただし、元々倒立は長いストロークが必要なモトクロッサーあたりで採用された技術なので250ccもオフモタさんに
これ倒立履いてるんすね!かっこいいですね!
というと
(なに知ったかしてんだこいつ)
とバレてしまうので注意してください。
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