okoんにちは!okomoto店長のオコモトです!
この記事にたどり着いた方は
という方ではないでしょうか。
この記事では
ということについて解説していきます。
「トヨモータース」というバイクメーカが存在した
引用元:Wikipedia
第二次大戦後、航空機を作ることを禁止された日本の優秀な技術者たちは自動車や二輪業界に身をおき、それらの業界を飛躍的に進化させました。
現在の国内バイクメーカーは4社ですが、当時は「メグロ」を筆頭に、300社あまりのバイクメーカーが文字通り乱立していました。その中の1つに「トヨモータース」というバイクメーカーが存在していました。
「トヨモーター」ってなんだかトヨタを意識してる感じがするわよね・・・
トヨモータースはトヨタの販売網を利用してバイクを販売していた
トヨモーターの創業者、川真田和汪(かわまだかずお)さんは元々トヨタ自動車研究所に務めていたので、トヨタにあやかった「トヨモータース」という社名にしたそうです。
ちなみに川田さんは戦前はバイクレースのライダーとして活躍していたそうです。根っからのバイク好き!
川田さんはトヨタ自動車研究上に努めていた経験やコネを活かし、トヨタの販売網(日進通称:現 豊田通商)で日本各地、世界各国のディーラーを通してトヨモータースのバイクを販売したので
昔はトヨタもトヨモータースという子会社でバイクを作っていたよ!
と誤解されることが多いですが、実際は資本関係はなく、販売網を間借りさせてもらっていた・・・という関係です。
トヨタとタッグを組んだトヨモータースは好調で、地元の愛知トヨタではトヨモーター部が設置されるほど注文が入っていたそうです。
トヨモータースの終焉とスズキ、ホンダスーパーカブの関係
そんな絶好調なトヨモータースでしたが、ライバル達の出現によって衰退していきます。
当時のトヨタの社長と同郷だった当時のスズキの社長が同郷(愛知県)だったということもあり、トヨモーター発展の大きな原動力となっていた日進通称でトヨモーターとスズキのバイクが併売されるようになったのです。
トヨタ出身の川田さんは効率を重視するトヨタのスタイルでトヨモータースを経営していたようで、「エンジン以外のパーツは他社から買って組み立てる」というアッセンブリという手法をとっていました。
一方でスズキは一貫して自社生産を行っていました。
バイクに求められる性能にアッセブリパーツの性能が追いつかず、トヨモーターのバイクは故障が頻発し、どんどん売れなくなっていきました。
一方で、スズキのバイクはほとんどすべてのパーツを自社生産していたのですべてのパーツの性能を上げることができ、順調に売上を伸ばせたのです。
更に「車は1家に1台」という時代に突入し、トヨタはバイクの販売事業に頼らずに四輪の方に注力した方が利益が出るということで、経営危機の中にあったトヨモーターを子会社化して延命させる・・・ということも行わずにそのままトヨモーターは潰れたのです。
トヨタの販売網で隆盛を極め、トヨタの考え方で衰退していくとは皮肉なもんじゃの・・・
トヨモーターがアッセンブリ方式から自社一貫生産にシフトしていたら・・・トヨタがトヨモーターを子会社化していたら・・・もしかしたら日本バイク4大メーカーは5大メーカーになっていたのかもしれませんね。
その場合高い確率でスズキはバイク事業で成功していないから結局トヨタ、ホンダ、ヤマハ、カワサキの4大メーカーだったかもね。
また、トヨモータースがなくなる1年前の1959年に後にキングオブバイクとなる最初のホンダ スーパーカブが発売されたことも大きな打撃になったことは間違い無いと思います。
トヨタがバイクや原付を作らない理由
などという理由があると思います。
それぞれ簡単に解説します。
商売上手
トヨタはApple、サムスンについて世界第三位、トヨタグループ全体の販売台数は世界一を誇る大企業です。
とても商売上手な企業なので、トヨモーターを子会社化しなかったことからもわかるように「自社一貫生産で作りたいものを作る」というよりも「他社と協力して利益が出るものを作る」という手法をとっています。
現にトヨタはダイハツ(軽自動車)と日野自動車(トラック)の親会社ですし、スバルの筆頭株主、ヤマハ(高性能エンジンなど)の4番目の大株主でもあります。
トヨタは利益が少ない事業は自社で積極的に行わない傾向が強いです。
どんな企業でもそうじゃが、特にトヨタはそれが強いってことじゃ
スズキとヤマハとの関係
先述の通り、トヨタはヤマハの大株主ですし、スズキとも関係が深く、資本提携もしています。
自社ブランドを展開し、バイク4大メーカーの内、関係が深い2メーカーとわざわざ競合するメリットがまったくありません。
自動車を作る技術とバイクを作る技術は同じではない
四輪車を半分にしたらバイクや原付になるわけではありませんし、バイクや原付の生産ラインと四輪車の生産ラインは共用できないので新たにバイクや原付専用の生産ラインを作る必要がありますし、新たに技術開発をしなければなりません。
それを行うメリットはトヨタにはありません。
市場が小さい&拡大することはない
日本では自動車と違って、バイクは仕事や生活のために必要なものではなく趣味で乗ることがほとんどです。四輪車のように「1家に1台」「1人1台」「社用車として」というものではなく、バイクは「バイク好きに1台」という感じなので市場がとても小さいです。
また、戦後の日本が経済成長するときに、「車がない(あるいは買えない)のでバイクや三輪車」を足に使い、経済的に円熟したあとは四輪車にシフトしていったように、現在の発展途上国でも今後はバイクや三輪車に代わって四輪車が売れる時代がやってきます。世界的にみてもバイク市場はどんどん小さくなっていくと思います。
現在のバイクメーカーは大きな需要があった戦後の労働の足の供給を主な目的として創業しましたが、現在「趣味のもの」「需要が少ないもの」「市場が縮小していくもの」に参入するメリットはないとお思います。
トヨタにはバイクや原付を作りたい人はいない
そもそも論として、バイクや原付を作りたい人は一度もバイクや原付を作ったことがないトヨタには入社しません。バイクや原付を作りたいのであれば4大メーカー、バイクも車も作りたいならスズキかホンダに入社します。潜水艦やロケット、新幹線や飛行機やバイクを作りたければカワサキに入社します。
そもそもトヨタにはバイクや原付を作りたい人はいないということです。
トヨタが作ったバイクっぽい三輪電動自動車
本格的なバイクの市場参入は考えられませんがトヨタはi-ROADというトライク型のモビリティをコンセプトモデルとして作っています。
車体を傾けて曲がるので、バイクにより使い「リーニングトライク」のようにも見えますが、バイクのように、運転者の体重移動で傾くするのではなく、ハンドルを切ると後輪が切れて、旋回Gに合わせてフロントサスが自動的に車体の傾きを制御する機構をもっています。
バイクとは似て非なる乗り物なので、トヨタはi-ROADを「バイクのような乗り物」ではなく「セグウェイなどのパーソナルモビリティ」と四輪車の中間の移動手段として開発しているのだと思います。
トヨタがバイクを作ったらヤマハ製エンジンかも
せっかくなので「もしもトヨタがバイクを作ったら・・・」という妄想をしてみます。
先述の通り、トヨタはヤマハの4番目の大株主ですし、高性能高回転スポーツモデルエンジンの技術が高いヤマハのエンジンを
などに採用していますし、木目パネルの制作もヤマハに依頼しています。
これをバイクに当てはめると「ヤマハの高性能高回転スポーツモデルエンジン」を「ヤマハの内装、外装」ということになると思います。
それってトヨタのロゴが入ったR1だよね・・・
トヨタがバイクを作ったらスズキOEMの電動バイクかも
社長同士が同郷ということで販路を使わせてくれたトヨタに対して、スズキはとても感謝しているので、現在もトヨタとスズキは友好関係にあります。スズキ4代目社長は一度トヨタグループのデンソーで10年ほど勤めたあとにスズキに入社していたりするほど。
そんな関係から、トヨタがバイクを販売するとしたら「スズキが経営不振に陥ったときにスズキのバイクをOEM作り、でトヨタ販売網で販売する」という形があるかもしれません。
最近の自動車業界の流れや、大衆向けの自動車を得意とするトヨタを見ていると「スズキの原付クラスの電動バイク(イーレッツなど)をOEM」で販売するかもしれません。
トヨタがトヨタ独自のバイクを作ることはないってことじゃの。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
トヨタがなぜバイクを作らないのか、もしも作ったらどんなバイクになるのかということを解説してみました。
バイク乗り通しでトヨタのバイクの話になったときに「トヨタがバイクを作ってもR1かイーレッツになると思うよ」と言って頂ければこの記事を書いたかいがあったかなと思います。
随分書きがいのない記事だね・・・。
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